アクセル・ブレーキの踏み間違いなど、高齢者による交通事故が全国的に多発している。市民の交通安全意識の醸成と交通事故防止を図るため、町田市と町田警察署は5月24日、市内在住の高齢運転者を対象にした交通安全講習会を実施した。
「視力の衰え」「視野の狭まり」「瞬発力や脚力の低下」「複数のことを同時に処理しづらくなる」「距離感やスピード感がとらえにくくなる」など、高齢になると運転への不安は増す。町田市内では発生していないが、アクセル・ブレーキの踏み間違いにより高台駐車場から転落したり、スーパーや病院に突っ込むなどの重大な事故、また有料道路や国道を逆走して対向車と正面衝突するなど、死亡につながる交通事故が全国的に多発している。
町田市は町田警察署と協力し、2005年から高齢者安全運転講習会を実施している。「高齢ドライバーの増加は当初より課題となっていました」と市民生活安全課の志賀正幸課長。「今年も全7回実施いたします。ぜひ多くの方に参加してほしい」と呼びかける。
今年初となる講習会は24日に行われ、事前に応募した24人の高齢者が受講した。警察官による交通安全講話に耳を傾け、視力・視野検査、シミュレーターによる運転適性検査を行った。指導員による実車指導では自身の運転技能や身体能力を振り返り、受講した玉川学園在住の小磯勝さん(79)は「(シミュレーターは)実際の車とハンドルやアクセルの感覚が違うので苦労した。子どもが急に飛び出してくるなど、普段気を付けていることでも、改めて気づかされることもあり良い練習になった」と感想を述べた。自宅が玉川学園の丘陵地にあり、乗車しない日はないという。
事故件数は減少傾向
町田署の杉木克則交通課長によると、今年1月から4月末現在の市内の交通事故発生状況は、318件で昨年の同期より32件減、死亡は1人、負傷者は368人といずれも昨年より減少している。警察官の街頭配置を強化し、白バイ・パトカーは赤色灯をつけてのパトロール等で注意喚起を行っており、また各地で行う交通安全教室も事故件数減少の要因となっているとみている。杉木課長は「高齢者の方々においても今回の講習で、自分のイメージと実際の運転にどれだけ差異があるか確認してもらい、日々の運転に生かしてほしい」と話していた。
指導を行った町田ドライヴィングスクールの関戸正義さんは「高齢者は長年の運転により自己流になっていることが多いです。体力の衰えもあるので、運転を見つめ直すきっかけになれば」とコメントした。
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