神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
町田版 公開:2018年5月24日 エリアトップへ

町田市立博物館 “秘術の書”を受贈 世界的に貴重なコレクション

文化

公開:2018年5月24日

  • X
  • LINE
  • hatena
受贈された1612年出版のアントニオ・ネリ著の「ラルテ・ヴェトラリア」イタリア語初版本の表紙=5月9日、町田市役所で撮影
受贈された1612年出版のアントニオ・ネリ著の「ラルテ・ヴェトラリア」イタリア語初版本の表紙=5月9日、町田市役所で撮影

 世界的にも珍しい貴重なコレクションが町田市に――。町田市立博物館(本町田3562)は現代ガラス作家、大平洋一氏から世界最古のガラス技法書とされる「ラルテ・ヴェトラリア(ガラス製造術)」の初版本を含め、89点のガラス関係資料を受贈したと発表した。

 工芸美術に強い館として知られる同博物館。岩田ガラスやボヘミアングラス、中国ガラスなど1000点近くを所蔵し、ガラス工芸の分野では関東随一の公立館として市外にもその名をとどろかす。1980年代から20以上の展覧会を開いてきた。町田市民のみならず、今回のように市外の方から寄贈の申し出を受けることもあるという。

 世界的なガラス作家で東京都出身の大平洋一氏は1973年にヴェネチアに渡り、ヴェネチア美術学校の彫刻科を卒業後、現地のガラス職人たちと共同作業による作品制作を開始。その作品はアメリカのメトロポリタン美術館、ボストン美術館などに収蔵されている。町田市立博物館によると「ガラス工芸担当の学芸員と交流があり、昨年の夏に受贈の申し出があった」という。

 主な受贈資料はアントニオ・ネリ著「ラルテ・ヴェトラリア」の1612年に出版されたイタリア語初版本3冊や62年の英語版初版本、68年のラテン語版初版本、1752年のフランス語版初版本を含む全19冊。資料の貴重性として、国外流出を防いできたヴェネチアの秘術が国外に流出するきっかけになったことがあげられる。この本が出版され、各国語に翻訳されたことで近隣諸国に透明ガラスの作り方や色付け法の秘術が広まり、ヨーロッパでガラス製造がその後の大発展を遂げることになった。

 特にイタリア語初版は国立国会図書館やイギリスの大英図書館にも所蔵されておらず、これだけまとまったコレクションは世界的に珍しい。評価額としてイタリア語初版は200万円ぐらいの価値があり、受贈品の総額は1700万円相当になるという。

 博物館としては様子を見ながら、来年以降には一般に公開したい考えだ。

版を重ねるごとに情報量が増え、絵による説明も
版を重ねるごとに情報量が増え、絵による説明も

町田版のトップニュース最新6

観光スポットとして定着

原町田七福神

観光スポットとして定着

活性化目指し15年

4月25日

美大生の卒業後 応援

市内画廊

美大生の卒業後 応援

展示 若者に無償

4月25日

「子どもの権利」明確に

町田市

「子どもの権利」明確に

条例 5月5日施行

4月18日

相原に「地元推し」かるた

相原に「地元推し」かるた

今月、販売 魅力再発見狙う  

4月18日

チーム盛り上げ、20年

ゼルビアスポーツクラブ

チーム盛り上げ、20年

教室運営 地域とつなぐ

4月11日

名物商店街 今月、代替わり

名物商店街 今月、代替わり

町田仲見世 歴史引き継ぎ

4月11日

あっとほーむデスク

  • 4月25日0:00更新

  • 4月11日0:00更新

  • 3月28日0:00更新

町田版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

町田版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook