市立小山中央小学校(岡部ひとみ校長)で17日、AR技術を活用した作品展が開かれた。この取り組みは同校が37学級(特別支援学級が12学級)、児童数878人の大規模小学校であり、児童が作品に込めた創意工夫や思いを伝えるためのスペースが取れないという課題を解決するためのもの。
AR(拡張現実)技術とは、実在する空間の情報をもとにデジタル情報を重ね合わせて表示することで、視覚情報を仮想的に拡張する技術のこと。作品展の参加者は自身のスマートフォンや学校が用意したタブレット端末で、作品の表題の隣にある小さなマークをかざすと、作品の解説文が読めるようになる。今回の展示では、児童が作成した解説文に加え、学年ごとの作品の制作風景や紹介動画のARパネルも用意された。完成した作品だけでなく、作り上げるまでの児童の情熱や苦悩を見たり感じたりすることが狙いだ。
6学年すべての作品が展示された体育館と家庭科室には、児童とその保護者であふれていた。各学年の児童はギャラリートーク(作品解説)も行い、直接作品を紹介する光景も見られた。宇田川舞羽さん(6年)は「楽しかったし、大変だった。(端末をかざすと解説文が読める仕組みは)新しい発見。文化がどんどん進んでいくと感じた」と感想を述べた。同じく6年生で、写真をもとに風景画を描いた高橋はるさんは「絵を描くのはもともと好き。ただ完成までうまくいかず3枚目でようやく完成した。(この取り組みは)すごいと思った」と話した。高橋さんの作品の解説文は「難しかったのは色を作るところです。葉っぱの色や形、カーテンの絵の具に水を多めに足して透けるように工夫しました」と表示される。
同校の岡部ひとみ校長は「作品展は2年ごとで、前回から帝京大学の教授と学生とコラボしてこの取り組みを行っている。参加者の声はおおむね好評で、『スマートフォンで見る説明文は紙に書く説明より長くできるので、より作品について知ることができてよかった』という意見もあった。次回以降も継続できれば」と話した。
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