町田市で生まれ育ち、桜美林大学に通う水田光夏(みか)さん(22)が、東京2020パラリンピック射撃競技の出場権を獲得した。10mエアライフル伏射 男女混合 SH2クラスの日本代表内定選手の第一号となった。
水田さんは13歳のころに難病「シャルコー・マリー・トゥース病」を発症した。手足の筋力が徐々に低下していく病気で、現在は右ひじから先と左手の指先、両ひざより先の感覚がまひし、車いす生活を余儀なくされている。
幼少期よりクラシックバレエやスキー、ピアノなどに長けていた。そして中学時代に始めたダンスに関わる将来を夢見ていた。難病の診断にも「病気自体のことはよくわからなかったので、聞いた時は『はぁ、そうですか』という感じで。それよりダンスができなくなることがショックでした」と振り返る。明るい性格で本人に自覚はなかったのだが、「ふさぎ込んでいたように見えた」と、母の光美(てるみ)さんが何か新しいことを娘に勧めようと、パラリンピアンが集まる場に連れ出した。2014年のアテネより3大会連続出場していた田口亜紀選手の話を聞き、見たことも、聞いたこともなかった射撃に魅力を感じた。「撃ってみたいかも」。その一言が転機となった。
競技は10m先に設置された直径4・55cmの的を狙い、的の中心に当たる最高点が10・9点。0・25mm離れるごとに0・1点ずつ下がっていく。60分間に60発撃ち、その合計点を競う。
「大きな目標達成のために、目の前の目標を一つ一つクリアしていくこと」を大切にしている。それが「自己ベストの点数を超えること」。その思いを胸に昨年9月、オーストラリアでの世界選手権で高得点を獲得。東京パラ代表内定を決め、11月の全日本選手権では自己ベストの633・3点で初優勝した。練習では敢えて満点は狙わず、「自分が定めた基準点以上をアタリ、それ以下をハズレと決めて撃つことで、良い結果に繋がっている」という。
小さい頃から人前に出ることが多く「試合では全然緊張しない」と笑顔を見せる。持ち前の平常心で大舞台での自己ベスト更新、そしてその先の”栄冠”を狙い撃つ。
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