これから10月ごろまで台風シーズンとなる。昨年の台風19号では町田市も大きな被害に見舞われた。約3000人の避難者が小学校や市民センターなどの避難所に駆け込んだ。今年は風水害に加え、新型コロナウイルス感染症の防止対策も考慮しなければならない。4月に消防団長に就任した吉川和男氏はより一層の事前準備が重要と話す。
備えの基本の「三助」
吉川団長によると、大規模な地震による犠牲者の多くは地震発生直後の建物倒壊や家具の転倒によるもので、そうした状況下で必要不可欠なのは、自ら守る「自助」と近隣で助け合う「共助」である。被害に遭う人が大勢いる場合、消防・警察・自衛隊などの「公助」だけでは救助する側の人手が足りなくなるからだ。例えば下敷きになった人は一刻も早く助け出す必要がある。災害発生時だけでなく、日頃の対策や復旧・復興対策においてもそれぞれの役割を考えておくことが重要。家具などの転倒防止や個人住宅の耐震化、家庭での水や食料の備蓄などは「自助」が中心となる。一方、避難施設等の確保や避難路の整備などは「公助」が中心となる。
そのうえで、防災教育・防災訓練は学校・地域・家庭が連携して行うことが必要となり、「自助」「共助」「公助」の防災対策の「三助」の連携が不可欠となる。市民一人ひとりが「自分の命は自分で守る、自分たちの地域は自分たちで守る」という考えで、日頃から災害に備えておくことが重要だ。
避難施設へ駆け込む前に
地震と違い、台風は発生やコースが事前に予測できる。コロナ禍では避難施設の混乱を避けることで自分を守ることにもつながる。吉川団長は「できれば台風襲来時には、まずは親戚や知人宅に避難させてもらえるよう、事前にお願いしておくことが大事です。そのような頼る先がなければ避難施設へ避難してください」と話す。特に河川近くで浸水の被害に遭いそうな家庭や崖下の建物で土砂崩れの被害に遭いそうな家庭は風雨がひどくなる前に避難をしてほしいと呼び掛ける。
藍綬褒章を受章4月に就任した吉川団長
吉川和男団長は令和2年春の叙勲・褒章で藍綬褒章を受章した。
1982年に市消防団に入団。以来、副分団長、分団長を経て副団長として10年間、歴代の消防団長を支えてきた。過去には市の自治功労表彰や消防長官表彰永年勤続功労章を受章している。今回の受章に際し「団員をはじめ、町田市役所、町田消防署ほか多くの人のご支援、協力があってのこと、ありがたく思います」と感謝を述べた。
生まれも育ちも町田っ子の吉川団長。玉川大学を卒業し、同大学職員を経て2005年に社会福祉法人明社会を立ち上げ、保育園の運営に取り組む。現在は東平しらゆり保育園の園長を務めている。誠実と親切と笑顔がモットー。
4月1日付で団長に就任。団員549人を束ね、火災や自然災害への対応、訓練、防災普及活動に取り組む。「今後も一緒に地域を守っていく団員を募っていきたい」
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