町田市内でオレオレ詐欺などの特殊詐欺や性犯罪の被害が増加していることを受け、町田警察署(金子伸司署長)はこのほど、市内に5店舗ある城南信用金庫、桜美林大学の協力を得て、被害防止を訴えるオリジナルポスターを制作した。21日には関係者に向け、同署5階講堂でポスターのお披露目キャンペーンが催された。
町田警察署によると、管内でオレオレ詐欺や振り込め詐欺などの特殊詐欺被害、女性・子どもの性犯罪被害が多発している。特殊詐欺による詐欺被害額は認知されているもので49件、被害額は1億5482万円にのぼる(11月21日現在)。また性犯罪発生については「登下校時に小学生などを相手に露出をする公然わいせつ、夜間にOLなどが狙われる強制わいせつなど、今年だけでも39件の届け出がありました。届け出のないものを含めると実際はもっと多い」と同署。
そこで同署は、日頃より特殊詐欺根絶キャンペーンなどで協力体制のある城南信用金庫に相談。特殊詐欺とともに性犯罪の被害が多いことを知った同金庫は「それなら一緒にポスターを作りましょう」と、地域連携を行う桜美林大学の学生にデザインを依頼し、町田市や市商工会議所、市商連などの賛同を得て今回の2枚のポスターが完成するに至った。
オリジナルキャラクター誕生
ポスターをデザインしたのは同大芸術文化学群の小松崎量介さん(造形専修4年=人物風土記で紹介)。特殊詐欺根絶を訴えるのは「町田のマチコさん」というオリジナルキャラクター。「従来の弱い高齢者のイメージを払しょくする、詐欺に負けない、強くて魅力的なキャラクターです」と小松崎さん。性犯罪被害防止には「町田のリナさん」。「マチコさんの孫という設定で、性犯罪に屈せず、絶対に許さないキャラクターにしました。いずれも被害を受けて弱っている様子を描くより、強い姿を見せることで、犯罪の抑止や被害者に勇気を与える後押しになれば」と説明した。
金子署長は「警察の頼みを聞いてくれて、地元の信金、大学が主体となって制作してくれました。学生の柔軟な発想で、斬新で新しく、目を引くものになり嬉しい。一人でも被害が減れば意義がある」とコメント。城南信金の田中専務は「お客様の大切な財産を守るため、当金庫でも尽力しているが、敵も悪知恵というか巧妙化しており、高齢者の被害が後を絶ちません。ポスターはとても独創的で『絵力』があると思う。各金庫の店頭はもちろん、繋がりのあるところでの掲示を広めたい」と話した。またコンビニ帰りのOLが物色されて、つけられて狙われることもあり、「市内のファミリーマート全店舗の協力も得て、店頭に掲示してもらえることになった。犯罪のない、より良い町づくりへ貢献できれば」と力強く話した。
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