多くのことを経験してきた自分だから奏でられる音がある-障害のある娘と二人で暮らすピアニスト、傍士(ほうじ)ちひろさん(31)が今月、町田でデビューする。同じような困難を抱える人々にエールを贈りたいと、その思いを鍵盤に乗せ、癒しと温もりの旋律を届ける。
ダウン症と診断された娘、和音(かずね)ちゃん(7)は生後1カ月で心臓の手術を受け、一時は心肺停止に。一命は取り留めたものの重度の障害が残った。
自身もうつ病を患いながら必死に育児をする日々。そんな時も続けてきたのが4歳から始めたピアノ。国立音楽大学卒業、約2年前に横浜国際音楽コンクールで2位になり、また人前で弾きたいという思いが強くなった。
振り返れば、小さなころから地味で静かな自分を多くの人とつなげてくれたのがピアノだった。嫁いだ先は北海道。和音ちゃんの医療ケアのため、東京に戻った。夫と離れて暮らした5年間。心の距離も開いていった。離婚し、今は小さなアパートに二人で暮らす。
公演に向け「私の活動が勇気を与えられるなら、誰に何を言われようがやりたい」と胸の内を語った。
町田でのデビューは7月21日(土)午後2時半からピアノカフェショパンで「クラシックとジャズの日〜癒し系の音楽を」と題した演奏会を開く。今回は思い入れも強いフランス音楽を中心とした構成。今後も毎月第3土曜に定期的に出演する予定だ。本番に向け、練習に力を入れ、規則正しい生活を心がける。日々充実した元気な母親を見て、音楽好きの和音ちゃんも喜んでくれているという。問合せは【携帯電話】070・2185・1889ピアノカフェショパンの岡さんへ。
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