地域の町内会などと連携し、職場体験や着付け教室、職業についての話を聞くなどのキャリア教室に力を入れる市立金井中学校(仙北屋正樹校長=人物風土記で紹介)の取組みが、文部科学省主催の「第12回キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰」を受賞し、1月18日に表彰された。
この表彰は、キャリア教育の充実発展に尽力し、顕著な功績が認められた教育委員会、学校及びPTA団体等に対してその功績をたたえるもので、受賞団体は各都道府県教育委員会からの推薦を受け、文部科学省が決定した。町田市は、地域人材を活用して「働くことの意義」「仕事のやりがい」「人との関わり合い」を3年間で計画的に実践し、生徒一人ひとりの社会的・職業的自立に必要な基盤となる能力や態度の育成に大きな功績を上げている金井中を推薦し、今回の表彰に至った。
金井中では、1年生で「浴衣着付け教室」、「職業人の話を聞く会」を通じ、地域の人たちと触れ合った。2年生は「ビジネスマナー講座」でプロからマナーを学び、「5日間職場体験」に役立てた。また「異文化対応力講座」で英会話や外国文化を学び、2泊3日の「英語国内留学」を体験した。3年生は「保育実習」で近隣の小学1年生に保育で学んだことを実践した。さらに全学年で「アンガーマネジメント教育」を実施し、怒りのコントロール方法を学び、社会に出た際の人間関係調整を学んだ。また、それらの事業に対する学習支援ボランティアの協力も評価された。
同校が看板事業とする「アンガーマネジメント教育」では、一般的に大人向けの教材を、子ども向けのものに展開し、広めている。「この時代、キレやすい子どもは依然多く、昔のように暴れることはないが、中に溜めて、ある時爆発してしまう。怒りをコントロールする力を学ばせたい。保護者の方にも好評で、理解されています」と仙北屋校長は話す。
福島県の専門施設に行く「英語国内留学」は公立校では珍しい試み。事前に外国人や英会話教室の先生などと触れ合い、臨んだ英語漬けの3日間で、生徒らの「うまくコミュニケーションを取れた」「将来英語を使う仕事に就きたい」などの声が聞かれた。英語教育に力を入れている町田市も注目するこの活動を、同校では今後も続けていく。
仙北屋校長は同校に赴任する前の渋谷区の中学校で、長期(5日間)の職場体験をスタートさせるなど、キャリア教育に力を入れてきた。「金井中では関根さん(学習支援ボランティアコーディネーター)を中心に、私の赴任前から続けられてきた事業も多く、地域の方たちもとても協力的。今回評価されたことは素直に嬉しいし、皆さん喜んでくださっている。中学では、教科とともに社会に出た時に役立つ勉強をしていくことが必要。ここで止まらず、地域とのつながりを強めて、この取組みを広げていきたい」と話す。
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