宮久保凧あげ同好会 初節句に「祝い凧」 郷土の風習、受け継ぎ35年
前年に誕生した男児の名前を書いた凧(たこ)を初節句にあげ、健やかな成長を願う風習「祝い凧」が、大和市上和田の宮久保地域で受け継がれている。中心は「宮久保凧あげ同好会」(神谷榮一会長・会員15人)。今年も2人の男児の名前が書かれた凧が完成し、大空を舞う時を待っている。
大和市役所文化振興課が1979年に行った調査によると、この風習は上和田と下和田の両地域で実施されていたのが確認されている。また、下鶴間や福田などでも、端午の節句に凧あげを行っていた記録が残されているが、「祝い凧」の起源は定かではない。
「宮久保凧あげ同好会」の神谷会長によれば、現在、市内で「祝い凧」を行っているのは宮久保地域のみ。以前は、各家で長男が生まれた際にお披露目とお祝いを兼ねて行われていたそうだが、大凧はあげるのに人手が必要なこと、また、凧をあげられる場所が限られていることから、段々と行う家が減ってきたという。
そこで「郷土に古くから伝わる大切な風習を残したい」と、地元の凧好き有志で約35年前に同好会を結成。長男が生まれた家からの依頼を受け、無償で凧を作っている。
今年は2枚の注文があったため、2月から製作を開始。会員総出で糸と竹の加工、骨組みの寸法取り、絵描きなどの行程を約2カ月かけて行った。要望があれば、名前だけでなく武者絵などの凧を制作してもらうことも可能だという。
この祝い凧は5月5日(土・祝)の午後1時から、鹿島建設(株)跡地(上和田)東側の芝畑で行われる「凧揚げの集い」で披露される。
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