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医療レポート 保険適用でピロリ菌を除去 取材協力/前川内科クリニック
本紙元旦号で身近な病気や治療法などについてお話を聞いている消化器内科専門医の前川公男院長。今年は、胃・十二指腸潰瘍に関わりがあるとされる「ピロリ菌」について話を聞いた。
−まず、「ピロリ菌」とはどのような菌なのでしょうか?
ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」で、胃の中に好んで住みつき胃の壁を傷つけると言われています。日本人の3人に1人が感染していると言う説もあります。
−どのような病気を引き起こすのでしょうか?
胃・十二指腸潰瘍の多くの方にピロリ菌の感染が認められています。この病気は再発を繰り返すため、抗潰瘍薬を長期に飲み続ける必要がありますが、ピロリ菌を除菌すると再発が著しく減少されることが報告されています。
ピロリ菌は胃粘膜の慢性炎症を引き起こし、年余に渡る長期間の感染により、粘膜の萎縮や腸上皮化生など胃がん発症の下地になる粘膜に変化させます。
−治療方法は?
ピロリ菌を除菌すれば胃がんの発生を抑制することができます。意外と認知されていませんが、将来的な胃がん予防の効果が認められたことから、昨年2月にピロリ菌による慢性胃炎の方にも保険の適用範囲が広げられました。
−保険適用の条件は?
胃潰瘍・十二指腸潰瘍のピロリ菌陽性者と、ピロリ菌による慢性胃炎の方は保険が適用されます。そのためには医師による診断のもと、内視鏡(胃カメラ)検査を行い、ピロリ菌感染の有無を調べることが必要です。その結果、ピロリ菌による潰瘍・胃炎と診断されれば、「2種類の抗生物質」と「胃酸の分泌を抑える薬」を1日2回、一週間服用する除菌治療を行うことになります。
−予防に関する注意点はありますか?
胃がん検診は一般的に40代以降から勧められますが、慢性胃炎にともなう粘膜の萎縮と腸上皮化生が進んでいないうちに除菌すると、胃がんへの予防効果が高いと思われます。ピロリ菌は幼年期に感染するケースが多いため、胃がん発症予防のためには、若いうちに一度、検査を受けることをお勧めします。当クリニックでも胃がん検診を行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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