9年ぶりに3学期制へ 15年度から市立全小中学校で
大和市教育委員会は11日、市立小中学校全28校で実施してきた2学期制を、2015年度から9年ぶりに3学期制に戻すと発表した。滝澤正教育長は「教育委員会として、児童生徒の成長を第一に考えた決定」とコメントしている。
大和市で2学期制が導入されたのは2006年4月。当時の土屋侯保市長の提唱によるものだった。
始業式や期末テストなどが減ることによる授業時間の増加や、学校が工夫を重ねることで「自ら成長する力を育む学校教育」の実現を目指してきた。実際に授業時間は小学校で10時間、中学校で25時間増加した。
一方、試験や通知表を受け取る機会が減るため、長期休業中に児童、生徒が目標を持って過ごすことが困難との意見も出ていた。
3年前から検証
大和市教育委員会では導入から5年後の2012年2月に、学校関係者や市教育委員ら11人による「検証協議会」を設置。12年7月には小中学校全校の教職員980人に2学期制に関するアンケートを実施した。翌年3月には市民3千人、7月には保護者約1万5千に同様のアンケートを行ってきた。
保護者は「3学期」支持
98%が回答した教職員は、小学校で91・8%、中学校では82%が2学期制の継続を支持。授業時間の確保を優先させたい希望が浮き彫りになった。
28・4%が回答した市民アンケートでは「2学期制のままで良い」が28・7%、「3学期制が良い」が36・8%、「どちらともいえない」が31・4%と意見が分かれた。一方、69%が回答した保護者は、2学期制支持が19%、3学期制支持が45%、どちらともいえないが34%と、3学期制を求める声が上回った。
「授業時間は確保」
検証協議会ではこれらのアンケートなどをもとに16回の協議を実施。今年2月21日に2学期制の成果と課題、新たな学期制のシミュレーションを含めた報告書を教育委員会に提出した。
3月27日の市教委定例会で5人の委員全員が賛成し、3学期制を実施する決定を行った。保護者には4月11日に3学期制導入のお知らせを配布した。
市教育委員会指導室では「2学期制実施中に培った課業日の工夫や授業時間の割り振りなどを活かしていけば、3学期制になっても授業時間に大きな差はない」とした上で、「子ども達を短期間で評価することが意欲や励みにつながっていく」、「長期休業前に通知表を受け取ることで、児童・生徒の目標を持った生活や学習に結びつく」とし、児童生徒の成長が最大の理由としている。
今後は指導室が中心となりプロジェクトチームを立ち上げ、詳細を検討。保護者らには学校などを通じて随時伝えていくという。
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