タウンニュース大和版では、古谷田力市長に新春恒例のインタビューを行った。古谷田市長は、16年ぶりに市長が交代した昨年を振り返り、新たな一年にむけての抱負を語った(聞き手・本紙編集長 佐々木淳)。
――昨年16年ぶりに市長が交代しました。5月の就任から今日までを振り返ってください。
「多くの市民の皆様からご支持を頂き、第18代大和市長に就任いたしました。市長就任後、まず取り組んだのが物価高騰対策です。物価やエネルギー価格の高騰が家計や地域経済に甚大な影響を及ぼすなか、子どもたちに安定した学校給食を提供するため、学校給食の食材料費に係る支援を継続したほか、市内中小企業支援策として、省エネルギー診断費用や省エネルギー効果のある設備・機械の導入費用の支援金を支給するなど、市民や市内事業者の皆様を支援するために全力で取り組んでまいりました。また、10月に組織の改正を行い、皆様の声を政策に反映させるためマーケティング課を設置するなど、必要な施策を迅速に進めてまいりました」
――当選時に「全方位の声を聞く。市民との距離が近い市長になりたい」と話しました。市民からはどのような声や要望が多いでしょうか。また、それらの声を市政にどう反映していますか。
「市民の皆様からの声は、市政に対するご提案やご意見として、真摯に受け止めております。『市長への手紙』はすべて目を通し、私が公務で訪れる現地・現場でお会いする市民の皆様との対話も積極的に行っております。頂いたご意見は『公園』がもっとも多く、次いで『健康・福祉』『子育て』『市街地整備』『教育』となっており、速やかに対応したものから、中長期的な検討が必要なものまで様々です。今後も市民の皆様の声に耳を傾け、市民を中心とする市政を実現し、市民幸福度の向上と、持続可能な行政運営の確立を目指してまいります」
質高い市民サービス提供
――市議会の一般質問などで、用意された原稿から目を離し、自身の言葉で話す場面が多く見受けられました。何か意図があるのでしょうか。
「特に何か意識をしているわけではありませんが、議員や市民の皆様へ自分の思いを伝えたい気持ちが前に出てしまっているのかもしれません」
広域連携は必要不可欠
――昨年7月20日から開催されている旧高座郡の4市長による懇談会について。首長懇談会の必要性や今後の展望についてお聞かせください。
「『大和高座(大和・海老名・座間・綾瀬)広域連携懇談会』は、本格的な人口減少社会の到来や、大規模な自然災害の発生が懸念される中、広域連携によって、各市に共通する課題をより良い形で解決できないか、その可能性を探ることを目的に私が呼びかけ、始まった懇談会です。一つの自治体では、解決が難しい課題を、4市で連携・協力して、互いにメリットがある、より良い形で解決できないか、各市の市長と活発に意見交換することができています。広域連携の考え方は、これからの行政運営にとって必要不可欠であると捉えております。10月の懇談会では『4市におけるごみ焼却炉の将来利用』と『パートナーシップ宣誓制度の連携』の2案件を連携事業案として決定し、去る12月2日には、『消防指令事務の共同運用』の実現に向け、4市で調整などを進めていくことを発表いたしました。連携事業案について進展があった際には、随時、皆様にお知らせしていきたいと考えております」
パワハラない市役所を約束
――昨年の9月議会で「前市長による公共工事のやり直しに関する調査特別委員会」が立ち上がりました。また、すでに判決が確定している前市長によるパワハラ問題も含め、行政がするべきこととは何でしょうか。
「前市長によるパワハラが司法の場でも明らかになったことは、たいへん重く受け止めております。しっかりとけじめをつけ、ハラスメントのない市役所を作っていくことをお約束します。特にパワハラについては、私を含め、先日、部長級職員らとパワハラに関する研修を受けました。この後、その他の管理監督者や事務を担当する職員、現業の職員、併せて、臨時的任用職員、再任用職員等にも受けてもらいます。また、研修と共に重要な相談体制の強化も図り、ハラスメントのない、風通しの良い組織を作ることで、質の高い市民サービスを提供できる市役所にしていきたいと考えております」
実生活に沿った市政運営に邁進
――最後に2024年の展望と本紙読者にメッセージをお願いします。
「2024年、令和6年がスタートいたしました。大和市では、子どもから高齢の方まで、立場や境遇に関わらず、すべての人が楽しく、笑顔あふれ、心と身体に加えて、社会的にも幸せな状態、いわゆるウェルビーイングが実感できる街を目指してまいります。市政運営の中心は市民の皆様であり、市民の、市民による、市民のための大和市政を創り上げていきたいと考えております。そのためには、みずからら現地・現場に赴き、さまざまな方と出会い、直接ご意見を伺いながら、市民の皆様の実生活に沿った市政運営につながるよう、邁進してまいります。今年の干支は辰年です。次世代につなぐ未来を創出するため、昇り竜のように力強く、大きく飛躍できますよう、チャレンジしてまいります。結びに、本年が皆様にとりまして、明るく幸せな一年となりますよう心よりお祈り申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。
(了)
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