任期満了に伴う神奈川県議会議員選挙が4月10日に行われ、無所属で現職の菅原直敏氏(33歳)が再選、公明党新人の谷口和史氏(49歳)、自民党新人の藤代優也氏(39歳)がそれぞれ初当選した。
新人の谷口氏、藤代氏が初当選
県議選は、東日本大震災から2週間足らずで告示となるなか、かつてない静けさと自粛ムードのなかで選挙戦がスタートした。
こうした社会情勢が影響してか、県議選の投票率は7人が立候補した前回平成19年よりも3・3ポイント低い44・18%で過去最低となった。
トップ当選したのは無所属の現職、菅原氏だった。
菅原直敏
菅原氏は、松沢成文前神奈川県知事が東京都知事選出馬を表明した直後に、県知事選への出馬を模索。2週間にわたり支援体制を調整したが不調に終わり出馬を断念し、3月14日に県議選への出馬を明らかにした。
選挙戦を通じて菅原氏は、選挙カーを使わず、顔写真ではなく実績を強調する選挙ポスターを使うなど、独自の活動を展開。ただ1人、2万票を超えるトップ当選で再選を果たした。
菅原氏は「過去2回の選挙は現職への批判や若さに対する漠然とした期待が大きかったと思うが、今回は地方議員としての実績が評価された」と述べた。
谷口和史
公明党の谷口氏は、2年前の総選挙で比例区、南関東ブロックで落選。県議選大和市選挙区に転身した。党県本部副代表の要職に就きながらの選挙戦は6期務めた益田駿氏の後継としての戦い。平成19年に益田氏が獲得した約1万7千票がひとつの目安とされてきた。
選挙戦後半で「苦戦」の情報が広がったが、組織票を手堅くまとめ前回の益田氏をわずかに上回る1万7641票を獲得。元代議士、本部副代表の面目を保った。谷口氏は「思いがつまった選挙だった。期待に応えて、安心安全な県を作れるように4年間全力で働きたい」と抱負を述べた。
藤代優也
激戦のすえ3議席目を獲得したのは、自民党新人の藤代氏。自民党は4年ぶりの議席獲得。
藤代氏は自民党甘利明代議士の秘書を14年務め、地元選挙区支部の公募で候補者となった。甘利氏とは対照的にほぼ無名から活動を始めたが、日ごとに知名度が浸透。甘利氏の地盤に新たな若年層の支持者を加え、戦いを有利に運んだ。
藤代氏は「14年間、秘書を務めたせいか、なかなか前に出れず支持者の皆様には迷惑をかけた。代議士との連携で大和、そして神奈川から日本を変えていく」と抱負を述べた。
東日本大震災では、岩手県内に住む叔母と従兄弟が犠牲になった。
安藤博夫
4年間の充電期間を経て出馬した元職の安藤博夫氏(63歳)は、3位の藤代氏と約千票差の惜敗だった。
市議時代から一貫して自民党公認で選挙を戦ってきた安藤氏だが、前回選挙で自民系無所属の出馬で票割れにあい、今回は満を持して挑んだが、党本部からの公認が得られず、県内唯一の県連公認候補として選挙に入った。
既存の支持者組織に加え、高齢者層からの支持が期待されたが、選挙戦後半で「安藤優勢」が伝わり追い込みの勢いがそがれた。
敗因について陣営幹部は「自民党が割れたのが最大無二の敗因」とした。
及川晃成
民主党新人の及川晃成氏(47歳)は、代議士秘書、市議1期を経て県会に初挑戦。民主党前県議の江田実氏が任期半ばで県議を辞職。事実上の後継者として名乗りを上げた。
政権与党への逆風のなか1万2258票を獲得したが、組織力で自公に及ばず、平成11年から3期続いた民主党の議席を失うことになった。
民主党は、衆院13区の大和、海老名、綾瀬の3市県議選に新人を擁立したが、いずれも落選。橘秀徳代議士が党本部で従事する震災対応に追われ、地元入りできなかったことも敗因のひとつとなった。
知事選の結果
知事選の大和市内の票は、自民、民主、公明の県組織が支持した元キャスターの黒岩祐治氏が4万3187票でトップ。開成町の町長から知事選に挑んだ露木順一氏が1万8842票、共産党が推薦した鴨居洋子氏が1万939票だった。知事選の無効票は3975票あった。
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