国の政治情勢が混とんとする中、新たな1年がスタートした。私たちが住む大和市にも議会があり政治もあるが、多くの市民にとって馴染みが薄いのではないだろうか。そこで本紙では、従来の新春市長対談に加え、今年から新たに『新春議長対談』を企画。市議会を代表して木村賢一大和市議会議長に話を聞いた。
ゆるみなく議会改革
――新年、あけましておめでとうございます。まずは昨年1年を振り返っていただき、どんな1年だったかお聞かせください。
「まずは、市民の皆様に、旧年中の市議会に対する温かいご理解とご支援に対しまして、心からお礼を申し上げたいと思います。昨年を振り返ってということですが、何と言っても、東北地方を中心に巨大地震が発生し、未曽有の災害を被りました。発災直後、大和市議会でも二日間にわたり募金活動を行い、約170万円の義援金を募ることができました。被災された皆様、地域におかれましては、一刻も早い復旧・復興を心からご祈念申し上げます。また、社会・経済状況につきましても明るい話題は、少なかったように感じています。そうした中でも、ワールドカップ女子サッカーで『なでしこジャパン』が、優勝し、大和市にもゆかりのある選手が3人もいたことは、大変うれしかったですね」
――昨年の市議選は定数28に43人が立候補する激戦でした。一方で投票率は42・41%と前回よりも低下しました。この結果をどう受け止めていますか。
「立候補者数が多いことは、市民の皆様にとっても選択肢が増え良いことだと思っています。投票率については、市長選、市議選ともに市制発足以来、毎回減少してきており、非常に憂慮しています。市民に市政や議会について、もっと関心を持ってもらう事が大切で、そのために、議会としても惜しまぬ努力をしていかなければならないと思っています。投票しやすい環境づくりと併せて取り組んでいかないといけないと考えています」
――改選により大和市議会の半数にあたる14人が初当選の議員となりました。改選後の議会は以前とどう変わりましたか。
「初当選議員による議会の変化といいますか、どの初当選議員も、一生懸命に議員活動をしているようすは、議長の立場から見ていてもうかがう事ができ、私も含め、各先輩議員は良い刺激を受けていると思っています」
――平成19年に故・青木克喜元議長のリーダーシップにより議会改革検討協議会が発足され、木村議長が当時、協議会の会長を務めていました。その翌年には最終報告をまとめましたが、ここでの検討結果は今日の議会にどう反映されていますか。
「お話の通り、当時、私が会長を務め議会改革の最終報告を策定し、当時の議長に提出させていただきました。その結果、議会基本条例制定の確認や傍聴可能人数の増設など、実施できたものもありますが、改革の全てが実施に至っておりません。しかし、昨年から、新たに市民の皆様から信託を受けた議員全員で、先に提出した最終報告を踏まえながら、あるべき大和市議会の姿を検討し、議論を重ね、議会改革の取り組みはゆるみ無く進めています」
――大和市議会では慣例により正副議長の任期が「1年」となっています。協議会ではこれを平成21年度以降に「2年」とするなど具体的に検討されました。今年5月の議会人事ではどう対応されますか。
「先ほど、昨年から議会改革について、議論を重ね取り組みを進めていると申しましたが、この案件についても、平成24年度から実施していくことが確認されています」
――昨年は市長選挙もあり大木市長が再選され2期目に入りました。これまでの大木市政をどのように評価していますか。
「基本的に、議長が、あるいは議会がどう評価するかではなく、昨年の選挙で市民から2期目についても信託を受けたわけですから、そのことを最も重く受け止めることが大切であると考えています。一方で、同じように市民から信託を受けた私たち市議会は、二元代表制の一翼として、地方自治体の意思決定機能と執行機関の監視機能を十分に果たすことで、その信託に答えていくことが大切であると考えています」
――国会議員も地方議員も自らの議会活動や政治活動について様々な手法で情報発信しています。本紙にもたびたび意見広告などが寄せられます。議員個人、さらには市議会における情報発信の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
「議員個人でも、市議会としても市民に市政について、考えや活動を発信することは、非常に大切であると考えています。市議会としても、その重要性は認識しており、例えば、『議会だより』を、少しでも多くの方に手にとって見ていただくため、市内全駅に設置する取り組みなども進めています。何よりも、市民の皆様に、議会情報が伝わりやすい環境を、もっと整えていかなければならないと考えています」
――毎日お忙しいと思いますが、ストレス解消法は何ですか。
「議長に就任して、一層忙しい日々を送っております。しかしながら、あまりストレスはたまらない性格かもしれません。強いてあげるとすると、地域の方、100人程で野菜作りを行っています。一年を通して、みんなでわいわい・がやがやとコミュニケーションをとりながら、土をいじって、汗をかき、収穫を祝う事が楽しみになっています」
――最後に2012(平成24)年は、どんな1年にしたいですか。
「新しい年が、よりよい年となり、全ての市民の皆様のご多幸を心から願っています。また、市議会としても、全議員が一丸となり、市民の皆様のお一人おひとりの声を大切にしながら、その役割を十二分に果たせるよう、さらには、議会改革につきましても、目に見える形の成果を挙げられるよう、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
(聞き手/宇佐美真)
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