大和市は22日、大和市立病院(五十嵐俊久院長)に歯科口腔外科を新設する、と発表した。2014年5月の診療開始をめざし、病院事業会計に6476万円を補正計上し、27日に開会した市議会第4回定例会に上程した。
市立病院では現在、救急部門の充実などを目指し、病院北側で救急棟(2階建)の増築工事を進めている。 来年2月に完成予定の救急棟に既設棟2階から内視鏡検査室を移し、その場所に歯科口腔外科を開設する方針だという。
開設にあたり横浜市立大学から常勤医師2人を迎え、歯科衛生士2人と看護師、看護助手、受付事務をそれぞれ1人ずつ新たに採用する計画だ。
新設にかかる費用は約6400万円。主な内訳は改修費が約900万円、装置類3200万円、器具類など2300万円。財源について病院総務課は「平成23年度と24年度の黒字化にともなう内部留保資金を充てる」としている。
患者数について同課では、外来が1日27人×244日、入院患者2人×365日の年間約7300人を見込んでいる。
来年5月に診療を開始する歯科口腔外科では、原則として紹介状による診療と入院患者への診療を行う。歯科クリニックなどでは対応が難しいとされる難抜歯や歯性感染症などの治療、手術後の合併症予防などを診療する。
要望が多い障害児者への診療については「検討課題として認識している。開設後に医師などと相談する」と実施に含みを残している。
市立病院の診療科目の新設は2010年の「呼吸器外科」以来3年ぶり。
開設の背景
大和市立病院への「歯科口腔外科」新設は、大和歯科医師会(青木則博会長)からの要望を受けて5年ほど前にも検討されたが、診療スペースの確保が難しく見送られた。
その後、救急棟の増築を発表した昨年夏にも歯科医師会から同様の要望があり、再度検討したという。
市議会9月定例会の一般質問で「市立病院への歯科口腔外科新設」について考えを求められた大木市長は「条件が整えば開設したいと考えていた。来年2月の増築棟完成で新たな診療スペースができ大学医局からも医師派遣に協力が得られるめどが立った」とし、開設に向けた検討を進めていることを明らかにしていた。
大和歯科医師会の青木則博会長(57)は「公立病院への口腔外科設置をかねてから要望してきた。地域に良質な歯科医療を提供するために今後も協力、連携していきたい」としている。
市は今定例会に、歯と口腔の健康づくりに関する施策を推進するため「大和市歯及び口腔の健康づくり推進条例案」を上程している。
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