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エコチル調査 学童期調査を開始 身体測定と認知機能を測る
エコチル調査の対象地区の一つである大和市では、約2200人の子どもが調査に協力している。学童期調査は、対象となる小学2年生に今年7月から順次、市役所近くのエコチル調査大和事務所で行われている。
この調査では、子どもの身体的な成長と精神・神経面での発達について、全国で統一された機器と方法で直接、測定。これにより子ども本人の客観的なデータを集めることができ、「身の回りの化学物質や汚染物質が子どもの健康や成長、発達に与える影響」を解明するうえで大変役立つと考えられている。担当者は、「より実りのある調査にするため、今後ともご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします」と呼びかけている。
未来の子へ貢献
身体測定で測るのは、身長、体重、体脂肪率、筋肉量。この結果はその場で受け取ることができる。もう一つは発達検査だ。私たちは日常生活の中で記憶力や空間認識力、集中力などの様々な「認知機能」を自然に使っているが、こうした機能は測定が難しく専門の検査が必要とされる。今回はパソコンを使い、ゲーム感覚でできるプログラムが用意された。
学童期調査に協力した相原理那子さんは息子の海志さんが「身長の伸びを気にしていたので、調査を楽しみにしていた」と話す。また、美來さんの母親の川井かおりさんは、定期的に送られてくるアンケートの結果が出ると「自分の回答と皆さんの回答を比べて、標準を知って安心したりしている」と話す。今後は「これからの子どもたちの成長に生かせるようなこと、例えばアレルギーの要因などが分かるといい」と期待を寄せる。
参加継続が成功の鍵運営協議会で協力を呼びかけ
エコチル調査の実施状況などを協議する「神奈川ユニットセンター運営協議会」が11月26日に開催された。神奈川県や大和市、横浜市、小田原市の職員や各地域の医師会関係者ら24人が出席。調査の状況や課題などを確認しあった。
エコチル調査でよりよい成果を得るためには、参加者が調査に継続して協力してくれることが不可欠だ。協議会席上では、環境省環境リスク評価室長補佐の佐々木康輔さんは「少しずつ論文も発表され、成果が出てきた。これからも地域の関心を維持していくことが大切。皆さまの協力が必要です」と呼びかけた。
調査の進捗状況は、神奈川UCの質問票の回収率が開始当初から全国平均よりも高いことが報告された。調査開始から7年たっても80%以上を維持しているという。
これまでに全国で発表された論文は67本。これらは環境省のエコチル調査ホームページで閲覧可能だ。神奈川UCの論文は「妊娠前及び妊娠中の身体活動が、分娩週数と分娩方法に及ぼす影響」の1本。来年は「予防接種」や「川崎病」などについて社会的に強いメッセージを持つ論文が出せる予定と話した。
また、今年度から開始している学童期検査についての進捗報告も。調査参加者の55%が協力してくれたことに触れ、参加率をあげるための意見交換がなされた。
「大きなデータでしか見えないものがある。政策や教育に還元できるようなデータが得られれば」と伊藤秀一センター長。大和市こども部の石田美奈子課長は「新たな知見が得られれば、日ごろの活動にも役立つはず。市としても協力していきたい」と話した。
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