彫刻家横田七郎 生誕110年で回顧展 新九郎で15日(月)まで開催

社会

掲載号:2017年5月6日号

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戦前から残るアトリエで父を語る八郎さん
戦前から残るアトリエで父を語る八郎さん

 市内中里で創作活動に励んでいた彫刻家・横田七郎さんの生誕110年を記念した回顧展が、5月15日(月)までギャラリーNEW新九郎(ダイナシティウエスト4階)で開催されている。尊徳記念館の二宮尊徳像、市役所の歴代市長の胸像など、市内随所で目にすることができる七郎さんの作品。芸術に情熱を燃やし続けたその生涯を、長男の八郎さんに聞いた。

 七郎さんは明治39年、父の仕事の関係により台湾で生を受けた。18歳になると油絵画家を目指して来日。紹介状を頼りに訪問した佐藤朝山(ちょうざん)に弟子入りする。

 何らかの手違いで、朝山は求めていた画家ではなく彫刻家だったが、それでも住み込みで修業に励んだ。

 しかし、いつまでも道具を握らせてくれないことに業を煮やした七郎さんはある日、無断で木片を彫って作品を生み出す。モチーフは昼食当番で焼いたメザシ。大海を泳いでいた魚が鉄網で焼かれ、それでもなお悠然としている様子に心ひかれたそうだ。

 「師匠に見つかって呼び出された際は、破門を覚悟したらしい」と八郎さん。ところが、「こういうものにも美はあるんだな」と感心されたという。

 以後、本格的に彫刻家の道を歩み始めた七郎さんは、中学校で美術教諭を務める傍ら創作活動に没頭する日々。「正月でさえ雑煮を食べたらすぐアトリエにこもる。夏休みも家族で遠出したことはない。作業を邪魔することは身内でも許さず、良くも悪くも芸術至上主義者だった」

 鴨宮から中里に引っ越す際、曳き家により移動した住居兼アトリエ。戦前から現存するアトリエには、70年の創作活動で生み出した約700点におよぶ作品が所狭しと並ぶほか、市内の公共施設にも数多くの作品が展示されている。

 近年は各地で開催される展覧会でロダンと並んで展示されることもあり、「『作品に埋もれていたいから、売れなくても構わない』という父だったが、評価が高まっていることはうれしい」と八郎さんは語る。

 回顧展は午前10時から午後6時(最終日は4時・9日(火)は休廊)。(問)【電話】0465・20・5664
 

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