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第60回神奈川県文化賞を受賞した写真家 石内 都さん 柳町在住 1947年生

公開:2011年11月3日

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見えない時間・痕跡を写す

 ○…写真家にとっての芥川賞ともいわれる木村伊兵衛写真賞を始め華々しい受賞歴を持つが、今回の神奈川文化賞受賞に、「すごく嬉しい。だって、写真の賞と違って分かりやすいじゃない」。よき理解者であった父親が生きていたらきっと喜んでくれただろう―。そんな思いを胸にきょう3日、贈呈式に立つ。

 ○…写真と出会ったのは20代後半。多摩美術大学染織デザイン専攻を中退し、やりたいことを模索している途中だった。「お金はなかったけど、ひまでね」。そんな時、自宅の一室で預かっていた友人の暗室道具とカメラを、ふと手にとった。暗室に漂う定着剤のにおいと暗闇の中で写真が浮かびあがってくる感動。その暗室での作業をしたいがために、写真を撮り始めた。「今でも撮影は苦手。できればあんまり撮りたくない」と写真家らしからぬ言葉をさらりと発する。

 ○…写真を始めたものの、当初は何を撮っていいか分からない。悩んだ末に浮かんだのが、自身の原点・横須賀だった。少女時代を過ごした街に抱いていた嫌悪感や違和感、そして居心地の悪さ。「敵討ちみたいな気持ちだった」と振り返る。荒い粒子で表現された街は、自身の記憶と感情がそのまま映し出されたかのようだ。それから一貫して撮り続けてきたのは、目には見えない時間や時代の痕跡。「作者の意図からどんどん離れていく写真が良い写真だと思う」ときっぱりと言い切る。

 ○…11月6日まで新・港村(新港ピア)で開かれている写真展「横浜プレビュウ」では、金沢八景などを日記感覚で撮影した写真を発表した。現在力を注ぐ被写体は、出生地・群馬県桐生の絹織物。愛用する35ミリカメラを携え現地へ通う。露出計は使わず、極力自然光で撮る。極めてシンプルな撮影スタイルは、「写真は自分の考えがしっかりしていれば撮れる。あとは教養と好奇心」というゆるぎない信念を映し出している。
 

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