「海と船の絵本コンテスト」で最優秀賞を受賞した 平岡 久美子さん 金沢区釜利谷東在住 39歳
「みんな違う」絵本に思い込め
○…初めて描いた絵本「海の色はなに色?」が、「海と船の絵本コンテスト」の最優秀賞を受賞した。青えんぴつが海の中を旅し、海の色はなに色かを探るストーリーだ。「みんな違う見方があって、いろいろな海があることを伝えたかった」と作品に込めた思いを話す。伝えたいことを物語に落としこむ作業に苦労し、何度も練り直したと言う。「(賞は)とても嬉しくて光栄に思う。絵本を作る時間を作ってくれた夫には、感謝しています」と喜びを表現する。
○…小さな頃から絵を描くのが好きで、内向的な子どもだった。「変わった子と見られていたと思う」。美術系の大学に進学し、卒業後はデザイン会社へ。仕事の一部で挿絵を描くこともあった。子どもが生まれ絵やグラフィックからは遠ざかったものの、家族が増えたことで「人生観ががらっと変わった」と振り返る。人生には限りがあることを意識するように。「今のうちにできることは、何でもやりたい」――そんな思いが芽生えた。
○…2歳の娘の子育てを通して気づいたのは「子どもの観察力の鋭さ」だ。「子どもたちが自分で見て、感じたことを大切にできるといい」。漠然とした願いを抱えている折、地区センターで絵本コンテストの募集チラシを見つけた。「好きな柳原良平さんのイラストが目に留まって。面白そうって」。しばらく着手できずにいたが、締め切りが迫る中、約1カ月で書き上げた。
○…「海があって、動物園があって、自然が豊か。子育てもしやすい」と3年前に金沢区に移り住んだ。家族でよく訪れるのはやはり海の公園。「ただ散歩するだけで癒される」とほほ笑む。日常の中でさまざまなものを見て、感じて、考えて。それらを自分の中に溜め込んで、いつか表現に昇華できればと願う。
|
<PR>
|
<PR>