9月5日付で金沢警察署の署長に就任した 北村 正(まさし)さん 金沢区在住 57歳
思いやりを持ち誠実に
○…着任数日後に、台風15号で甚大な被害を受けた産業団地エリアを訪れ、木や機械が倒れ、変わり果てた光景を目の当たりにした。「自然災害の恐ろしさを感じた」。現場を見て改めて災害に備えた訓練の必要性を実感した。窃盗などの工場荒らしに注意するため、被災地の防犯強化に力を入れている。
○…川崎市幸区出身。「特にこれという理由はないんだけど」と話すが中学2年生から警察官を意識し「人の役に立ちたい」と高校卒業後、その道に。23歳の時、機動隊員として日航ジャンボ機墜落事故の救出活動を行った。事故が発生した8月になると特に当時の様子が頭によみがえる。この事故を機に「尊い命を守りたいという思いはさらに強くなった」。今でも忘れられない経験だ。
○…2016年から1年半、「被害者支援室」の室長を務めた。相模原市で発生した「津久井やまゆり園」の殺傷事件では全国的にも珍しかった100人体制の被害者支援本部の現場責任者として、被害者やその家族のケアにあたった。「被害者、遺族の苦しみは言葉では言い表せないほど深く、重い。だからこそ思いやりを持ち、寄り添うことが大事だった」。金沢警察署に着任後の署員への訓示では「思いやりを持って誠実に仕事をしてほしい」と伝えたのもこうした経験からだ。
○…金沢警察署での勤務は初めて。休日は、スマホを万歩計代りに、区内をウォーキングするのが楽しみの一つ。早速、金沢八景駅からシーサイドライン沿線を通り富岡八幡宮まで歩いた。就任のあいさつ回りで区民と接し、防犯、防災への意識が高いと感じた。「交通事故、振り込め詐欺被害を少しでも減らせるように取り組んでいきたい」。区民の安心、安全を守る決意だ。
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