金沢区の街の先生で、草月流いけばなの免状を持つ 荘 シルビアさん 金沢区柳町在住 58歳
大好きな日本が「ホーム」
○…型にとらわれ過ぎない独創的な生け花で新年の金沢区民ギャラリーを飾った。生け花だけでなく、フラワーアレンジメントの免状も持ち、イメージや手法の異なる2つの世界を自由に行き来する。「生け花かアレンジメントかで、する時の顔が違うと人に言われるし、自分でもそう思う」と笑う。時には双方の手法を取り入れ、オリジナルの世界を創り出す。
○…日本人の祖父を持つ日系3世。幼い時から自宅の庭の手入れをする祖母を手伝い、花や植物に慣れ親しんだ。日本への憧れは人一倍。「いつか日本で生け花を習いたい」と思い描いていた。27歳の時にブラジルから単身日本へ。「ゼロからだったけど不安はなかった。街の標識などはまったく読めなかったけど、分かりたいと思ってすごく勉強した」。半年間1日8時間ぐらい勉強したというが、毎日が新しく楽しかったと振り返る。
○…来日から1年ぐらいして、横須賀在住の草月流でフラワーアレンジメントの資格ももつ師範と出会い、師事した。「日本のママのような存在」で、今も親交が続く。「さらに上を」と家元の研究会などにも参加。アレンジメントの学校にも通い、どん欲にレベルアップを目指し、指導者の立場に成長した。「人に教えるのは大好き。(生け花は)自分だけのものじゃないから」
○…作品のインスピレーションは突然やってくる。そのイメージをデッサンし、作品に昇華する。「生けている時も、花や枝は何かを訴えている。メッセージがあるみたい」。ブラジルに帰っても「自分が不自然な感じがする」というほど今や日本がホームに。その文化を大切に思う気持ちは日本人以上だ。「大好きで大事だから、もっと目を向けて大切にしてほしい」と願う。
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