金沢区・磯子区版 掲載号:2021年7月29日号 エリアトップへ

大学を中退し、一念発起して漁師を目指す 緒川 颯太(そうた)さん 金沢区柴町在住 22歳

掲載号:2021年7月29日号

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縁が重なり、選んだ道

 ○…「一年前の自分からは今の生活は想像できない」。大学生から一変し、現在は金沢区の柴漁港で漁師を目指して修業に励み、アナゴ漁の助手を担っている。もともと海は好きだったが、今は仕事の場として海を大切に感じている。「魚を売るだけでなく、環境教育なども行う漁師になりたい」と目を輝かせる。

 ○…国立大の理工学部に進学したが、コロナ禍により状況は大きく変わった。友人に会えない日々に、モニター越しの講義。鬱々とした気持ちは募り、「大学を辞めたい」。そう家族に打ち明けた。異変に気付いていた父・昌史さんは、「どうせなら好きなことを」と釣り好きの息子に県の漁業就業セミナーの参加を勧めたという。父の提案に驚きを感じつつも、「どんなものか見てみよう」と参加を決意した。

 ○…「海は好きだけど、仕事にできるのか」―。当初抱えていた疑問は、5カ月間の実地研修で吹き飛んだ。研修先は、アナゴ一筋40年の今の親方・齋田芳之さんの船。今までにない海上の解放感や厳しくもやりがいのある漁業の魅力を感じたほか、齋田さんの地元の海に対する思いに共感した。「地域の人に海をもっと知ってもらって、環境を守りたい」という思いも芽生え始めた。休学していた大学は今年の4月1日付で退学。迷いなく、漁師の道を選んだ。

 ○…川崎市で生まれ育ったが、2月から漁港の近くで一人暮らしを始めた。自炊に洗濯、掃除にも慣れてきた。魚を捌くのもお手の物で、得意料理はアナゴの白焼きと煮アナゴという。両親は時々漁港に遊びに来て、一緒に釣りを楽しむことも。「父が入口を見つけてくれて、芳之さんの船に乗れて。縁に恵まれた」。感謝の気持ちを込めて、船に乗り込む。

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