NPO法人横浜金沢文化協会 理事長 後藤 政也さん 釜利谷東在住 79歳
”文化薫る街”めざして
○…区内の文化活動の推進・交流促進をサポートする横浜金沢文化協会の理事長を務める。「金沢は850年の歴史があります。それにふさわしい文化の街にしたいんです」。たとえば、旧川合玉堂別邸や旧伊藤博文金沢別邸。十数年前から協会メンバーらと共に修復・保存活動に注力し、現在では金沢を代表する観光スポットに数えられるようになった。「文化を通して『絆』を強くすることが、本当の意味で経済の成長につながります」と思いを語る。
○…中央アルプスの麓・長野県上伊那地方生まれ。父は日本画家だったが、戦中に花卉(かき)・養蜂農家に転じた。品種改良などにとことんまで取り組み、絵画から離れてもその”芸術家肌”は健在だった。「ほんとうに研究熱心な人でしたね」と父の背中を追憶する。故郷を離れて都市銀行に就職すると、大阪、福岡、東京と転勤。金沢文庫駅前に支店が新設された1973年、最初の支店長としてこの地に赴任した。そのときの印象は、「海と山に囲まれた歴史深い町」。そんな金沢に魅せられて、居を構えた。
○…趣味の写真を通じてつながった仲間と金沢フォトクラブを設立するなど、金沢を拠点に、自らの文化・芸術活動も花開いた。区の打診を受けて文化協会をスタートさせたのは95年のこと。活動は今年、18年目を迎える。その原動力になっているのは、地域への思いだ。「銀行は地域社会あってこそ成り立つもの。私は、お世話になった地域へ恩返しをしたいんです」
○…昨年、区内の名跡も世界遺産の候補になった。これはまたとないチャンスだという。「朝夷奈切通から称名寺に至る道を『歴史の道』にするのはどうでしょう」と、早くも構想を練る。「念願の文化ホール開設と合わせて、6年後の区制70周年のときまでに成果を残せれば」と今後の意欲を語る目は輝きを放つ。名刺にも記された「歴史と文化が薫る街」の文字。その実現へ向け、挑戦は続く。
|
<PR>
|
<PR>