わくわく上大岡に携わって20年を迎える 光里(みさと)友岐(ゆき)さん 横浜市在住 67歳
地域と歩む伝統芸能
○…9月11日に開催される「わくわく上大岡」に携わって20年を迎える。富山市八尾町の「越中おわら節」を上大岡でも、と始まったこの祭り。第1回目の企画から関わり、舞踊指導を行うなど、上大岡地域の町おこしに貢献してきた。今は永野、上大岡、桜岡小学校の児童が披露するおわら節の指導に余念がない。
○…日本舞踊に新舞踊、民謡舞踊を指導している光里流日本舞踊教室を上永谷で開き、全国に散らばる弟子の指導を続けている。日舞との出会いは3歳の頃。後にキングレコードから専属舞踊家として声がかかる程の腕前に成長するが、小学生の頃から先生に頼まれ、教室の机を寄せた舞台で踊ったこともあったとか。高校2年生の頃にはすでに師範の資格を持っていたことから地域で盆踊りを指導。以後、現在に至るまで日本の伝統芸能である踊りを広めようと奔走してきた。
○…「着物を着ていないと自分じゃないみたい」と話すほど、生活は”和”一色。日本文化に造詣が深いこともあって横浜市が姉妹友好都市提携を結んでいるルーマニア・コンスタンツァ市の友好委員会で委員長を務めている。日本文化を他国に伝える機会も多く、ルーマニアでは「美しき青きドナウ」をアレンジして踊り、大喝采を浴びたことも。また、ハワイに向かう客船の中では1000人の乗客に対して炭坑節を指導。国籍も様々な中で一緒に踊る一体感。踊りの持つ力を再確認した出来事だった。
○…毎年小学生には手取り足取りおわら節を指導をしている。「なかなか上手に踊れなかった子どもが踊れた時、『できた』って笑顔を見せる。それが嬉しくて」。そうやって指導したことがきっかけとなり、小学校を卒業した後に、舞踊の門を叩く学生や社会人もいるという。「伝統芸能である踊りを次世代へつなげていきたい」。その願いは20年の節目を経て、ますます強くなる。次世代の種は確かに芽吹き始めている。
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