横浜市港南国際交流ラウンジの会長 大石 榮子さん 丸山台在住 68歳
温かい心は世界共通語
○…かつて、来日から2年間家にこもりきりだったタイ人女性がいた。親しい友人がなく、笑顔もなし。ところが港南国際交流ラウンジの日本語教室に通い始め、顔見知りが増えると表情が一変。今は主催行事の手伝いも買って出るほど明るく積極的になった。母国を離れて過ごす外国人には「心を許せる居場所が大切。そのためにもラウンジの存在を知ってほしい」。多くの出会いが期待される「ラウンジ祭り」を控え、準備に最後の追い込みをかける。
○…20年の社会人生活を終え、知人を通じて国際交流団体の手伝いを始めた。外国人とのお茶会や芸術鑑賞―。楽しかったが「自分が考える国際交流と違う」。本当は日常生活に困っている外国人を支援したいのではないか。そんな折、国連職員として海外から来日する女性出稼ぎ労働者の地位向上に尽力していた長女の言葉に背を押される。「国はなかなか動かない。お母さん、地域で目の前にいる外国人を助けて」。ちょうど設立に向けて基本構想が発表されたラウンジ。早速ボランティアとして開設に携わり、以来15年間、地域の外国人を支え続ける。
○…外国人は異国の地で同胞との絆が深いが、日本人との交流も求めている。5年前、乳幼児をもつ外国人の母親を対象としたサークルを日本人にも開放すると参加者が拡大した。「同年代のお母さん同士なら分かり合えるし、日本人の友達ができれば色々情報も得られると思って」。国境を越えたママの絆は強く、今も同窓会を開催するほどだ。
○…外国人からの相談には、仕事やいじめの悩みが多い。「日本人なら受けるはずのない差別もある。本当に恥ずかしいこと」。そんな差別の大きな原因は言語の壁。しかし、自身の経験から国際交流に大事なのは「言語以上にウォームハート(温かい心)」と強調する。相手の心に寄り添う気持ちを持てれば、必ず分かり合えるはず。優しさは世界共通なのだから。
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2018年2月15日号
2018年2月15日号