「Cafe(カフェ) GSJ(ジーエスジェイ)」の代表として東永谷地域ケアプラザでコーヒーなどを販売する 高橋 晟(あきら)さん 東永谷在住 70歳
新たな失敗 楽しみに変え
○…定年退職した人など男性シニアを対象にした東永谷地域ケアプラザの事業から、今年4月にボランティアカフェが生まれた。毎月第2月曜日の午後、コーヒーや手作りクッキーを100円で振る舞い、少しずつ来店客も増えている。この秋には「Cafe GSJ」と店名もついた。事業名の「楽習塾(がくしゅうじゅく)」から頭文字をとったもので「おやじギャグや冗談も交えつつ、皆で楽しくやってる」。地域の仲間づくりが、新たな居場所づくりに繋がっている。
○…楽習塾は半年間の連続講座で、男性が美味しいコーヒーの入れ方や料理などを学んでいくというもの。カフェは昨年受講した1期生が中心となり、学んだことを今度はボランティア活動で生かそうと、現在10人ほどで運営している。来店客には近所の顔見知りなども多く「義理で来てくれているのかな」と気にしながらも、「美味しいって言われると、お世辞でもやっぱりうれしい」と笑顔をこぼす。
○…新潟県柏崎市出身。山形大学で機械工学を学んだ後、自動車メーカーに勤め、「夜遅くまで数字とにらめっこしていた」。東永谷に住んで40年以上、地域との関わりは妻に任せきりだったという。その妻の勧めでケアプラザに足を運んだが、「会社では顔見知りばかりだったけど、ここでは知らない人ばかり。内心おどおどしていた」と当時の心境を明かす。だが次第に仲間は増え、現在ではスポーツ吹き矢など他の活動も含めて毎週3、4日は同施設に通うほどに。
○…「どんな仕事をしていたのか、実はお互いほとんど知らない」。スタッフ同士の話題は「今」のことばかりで、「一緒に取り組んでいれば、皆これまで真面目に勤めてきたんだろうなって想像できる」。互いに尊重し、敬い合う関係がある。「次はカステラ作りに挑戦。難しいんだよな」。そう語る表情は、新たな目標に向けて輝きを見せる。「今まで経験したことのないことだから、失敗したって面白い」
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