「読書サポーターズin港南台」の事務局として地区センターでの図書取次を支援する 竹内 義裕さん 港南台在住 70歳
「図書館砂漠」にオアシスを
○…港南台駅から最寄りの図書館は、港南図書館ではなく約3Km離れた栄図書館。遠く不便な地理的状況を「まさに図書館砂漠だった」と表現する。このほど港南台地区センターで開始した「図書取次サービス」により、市立図書館の図書が同施設でも受取・返却できるようになった。自ら中心となり、7年前に発足した「港南台駅周辺に図書取次サービスの設置を推進する会」の地道な活動が、ようやく実を結んだ。
○…「港南台は商業施設も医療施設も充実しているのに、文化施設がない」。都内に通勤していたころは、電車を途中下車して磯子図書館を利用していた。定年を迎えて「80歳までに1千冊読破」を目標に据え、「港南台にも図書館があったら便利なのに」との思いを強めたが、「1区1館」の市方針が壁に。実現の難しさを知り、次善策として市内でも例のある「図書取次」に目を向けることに。港南区選出の市議による協力を得て会を発足し、行政担当者と何度となく会合を重ねた。街頭アンケートでは住民ニーズの多さを改めて実感。「どうにか実現したい」。その思いが活動を支えた。
○…図書取次の実現で同会は目的を果たし、メンバーはボランティア組織「読書サポーターズin港南台」としての活動へ移行。図書予約はインターネットで行うため、PC操作に不慣れな人などへのサポートに取り組んでいく。また同サービスは、市のモデル実施でもあり、「港南台が成功すれば、他の地域にも広がる」。責任の重さを感じながら、笑顔を見せる。
○…円海山で里山保護のボランティアに携わるほか、三浦半島で釣りを楽しむなどアウトドア派の一面も。ハードボイルドや歴史小説などを中心に、手に取る本のジャンルは幅広く「自分とは違う人の人生を味わうことができるのが読書の醍醐味。その面白さを、スマホ世代にも広められれば」。初めての身近な文化施設に、その願いを託す。
|
<PR>