港南歯科医師会の会長に就任した 撫養 勉成(むや やすなり)さん 港南台在住 64歳
患者想い歩む道
○…「口が健康な人は、全身の疾患も少ないというデータがあるんです」―。歯周病が糖尿病の悪化を招くなど、密接な相互関係にあるという口腔内と全身の健康。だからこそ、港南歯科医師会の会長として重視するのが”病診連携”の推進だ。「患者の情報を区内の医師会や薬剤師会と共有することで、効果的な医療を提供できる。これまでに構築してきたシステムを、スムーズに運用していきたい」と抱負を語る。
○…東京都内で歯科医院を開業していた父が亡くなったのは、小学生の頃。「閉院後も夜遅くまで技工物(義歯など)を作っていて、いつも忙しそうだった」という記憶が、今も脳裏に刻まれている。その後、中学校、高校では一筋に勉学に励み、父と同じ東京医科歯科大学に進学。「あの頃、歯科医師になることに何の迷いもなかった。ごく自然のことのように」と振り返った後、「でも、若くして亡くなった父の志を継ごうという想いが強かったのかな」とぽつり。半ば強い使命感と共に歩んだ道だが、「今でもこの仕事以外は考えられない」という。
○…仕事の息抜きは料理。「外食先で気に入った料理があったら自宅で再現し、自分流にアレンジする」。得意料理はビーフシチューで、前日から仕込むこだわりようだ。一方、かつて趣味だったゴルフからは遠ざかっている。「昔のように身体が動かなくて。怪我をすると診療できないから」。港南台に開業して25年、患者を最優先に考え、どんなに体調が悪くても休んだことは一日もない。
○…卒業後も大学に残り、約10年間にわたって歯科医学の研究に打ち込んだ。いわゆる「研究肌」タイプで、「社交的な方ではないし、人と会話することは苦手」と苦笑する。それでも「歯科医師として最後のご奉公」と引き受けた会長職。「身体の続く限り地域医療に貢献していきたい」と、自ら決めた道をひたむきに邁進する覚悟だ。
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