今年4月から港南消防団の団長を務め、団員279人を取りまとめる 森 正夫さん 下永谷在住 67歳
「礼を尽くして和をもって」
○…港南消防団で副団長の3年間を経て、今年4月から団長に。279人の団員を取りまとめる立場に「重圧はあるけれど、伝統を引き継ぎながら自分流でやっていく」。コロナ禍で思うような活動ができない中だが、2年がかりで準備を進めてきた「女性部」も春に発足した。「災害はいつやってくるかわからない。平日の昼間を思うと、やはりまだまだ女性の力が必要」。早くも一歩を踏み出している。
○…昨年立て続けに台風の被害があったこともあり、風水害対策にも力を入れている。今年から訓練会では各分団の対応を相互に評価する仕組みを取り入れた。状況の伝え方や動き方は分団ごとに工夫があるため、「良い点を取り入れていけば団全体がより良くなるはず」。実践的な訓練で、底上げを図っている。
○…栄区小菅ケ谷出身。結婚を機に港南区下永谷に移り住んだ。元はJAに勤めていたが、妻の家業を手伝うことになり、そのタイミングで近所の人に団員にと誘われた。印象に残るのは「3・11」。初めて体験する大きな揺れの直後に班の器具置場に駆けつけた。日が暮れていく中、停電で暗くなった周辺を投光器で照らし、また酸素吸入器が使えない住民がいると知るや発電機をもって駆けつけた。「いざという時、地域のために何かできることがあるというのが一番のやりがい」と思いを語る。
○…団員に対しては「あれやこれや言うのは好きじゃない。礼を尽くして、和をもって。あとは仲良くがいい」。自身もこれまで消防団活動の中で様々な職種や年代の人との交流を楽しんでもきたという。最近では学生など若い世代も入団している。「制服への憧れとか、そういったものも大切。できることで協力してもらえたら」
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