町田版 掲載号:2020年6月11日号 エリアトップへ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の58

掲載号:2020年6月11日号

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 行動自粛でストレスがたまる心を花が癒してくれる。日本の緩い自粛と違ってヨーロッパ各国では、旬のチューリップなどが大量廃棄されて山積みされている。生活必需品と食料品の調達や通院以外は自粛となり、許可なく外出すれば罰金を課せられたり逮捕されたり、人権最優先で法整備された日本とは大違いで、当然花は生活必需品ではないから花屋は閉店。店や問屋、さらには生産地の花は全て処分されている。日本でも年度の切り替え時期で、卒業入学、入社、送別会といった催しが縮小または中止され、生花店も大打撃を受けたが、それでも食料品の買い物ついでに花を買うことはできるからまだましかもしれない。

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 写真の花たちの共通点が分かるだろうか。アジサイ、アミガサユリ(バイモ)、ドイツスズラン、日本水仙、福寿草、曼珠沙華(彼岸花)。どれも有毒植物である。しかし見ての通り、有毒であろうと人間は見て楽しむ花として位置づけている。もう一つ共通点がある。きれいな花には毒があると言われるように、咲き始めてから終わるまで虫に食われない。アジサイは葉がハバチの幼虫に食べられたり、葉切り蜂の巣の材料として切り取られたりするが、花はめったに傷つかない。他にも有毒植物はたくさんあるが、梅や銀杏は処理することで毒素を除いて食用にするし、街路樹になっているハリエンジュは毒のない花だけを天ぷらで食べたりする。また漆のように塗料として用いたり、毒素を調整して薬として扱ったり、人は有毒であっても上手に利用し付き合ってきた。しかし、新型コロナウイルスとは依然付き合えていない。マスクに引っかかるくらいの比較的大きな花粉や細菌の類いなら、納豆菌とか乳酸菌、酵母といった有用なものもあるが、サルモネラ菌や杉、檜、ブタクサの花粉といった厄介者もいる。しかし花粉はほとんどの植物が飛ばすのだから、人に有害な花粉はほんの一部ということになる。我々が呼吸している空気には、これら全てが常に混在していて、おおむねほとんどに対抗できる体になっているものの、今回のような新参者には対抗する術を体が持ち合わせていない。はたして付き合えるようになるのか、有用性は期待できないが。ただ確かに言えることは、戦争を知らない世代が初めて味わう我慢の時期だということ。我々は紛争地域で生まれ育ち生活している人々の我慢の度合いを知らない。クラスター爆弾が降ってくるわけではないが、試されていると思って頑張るしかない。
 

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