大和市下鶴間の下水処理施設「北部浄化センター」の焼却灰搬出が停止している問題で、市がこのほど、新たな事業者と単価契約し、搬出が再開していたことがわかった。
今年5月に停止した焼却灰の収集運搬、処理を新たに担うのは、特殊な処理技術をもつ産業廃棄物処理業者。「コンクリート固形化処理」と呼ばれる技術で有害物質を含む汚泥などを無害化し、県外の管理型最終処分地に埋め立てている。
市も事業者も風評被害を懸念しているため事業者名や最終処分場の場所は公表していないが、本紙の取材では、国が示す1キログラム当たりの放射性セシウムの濃度8000ベクレル未満の焼却灰を収集、運搬、処分する際の1年間の単価契約を結んだことが分かっている。さらに、受け入れは不定期で、委託費も通常の約2倍と割高だが、焼却灰の搬出が再開できた自治体はほとんどないことからも大和市に限っては、5月以降の危機的な状況が収束に向かい始めたといえる。
東日本大震災による原発事故後に、東日本各地の下水処理施設で汚泥焼却灰から放射性セシウムが検出され社会問題化している。
焼却灰はセメント原料として再利用されていたが、セメント業者による引き取りが停止しているため、各地でリサイクル機能が停止。焼却灰の自区内保管を余儀なくされている。
大和市でも6月末までに屋内保管が満杯となり、7月から屋外保管を始めた。そうしたなか焼却灰搬出が再開され、10月6日までに計7回、約70トンの焼却灰が搬出された。現在の保管状況は屋内35トン、屋外40トンの計75トン。
焼却灰は飛散しないよう、大型の袋に充填密封して保管。施設の境界線4地点の空間線量を定期計測して結果を公表している。
焼却灰の放射性セシウムの濃度は、国が埋め立て処理を可能としている8000ベクレルの4割程度で、9月20日に計測した空間線量の最大値も毎時0・11マイクロシーベルトと、国の基準0・19マイクロシーベルトを下回っている。
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