スギ花粉 「今年は少なめ」 県が調査結果を発表
2012年春のスギ花粉の飛散量について、神奈川県自然環境保全センター(厚木市七沢)が昨年末、「平年より少ない」との予測を発表した。環境省によると飛散開始は例年より遅くなる見込みで、1月下旬には同省から詳細予測が発表される予定だ。
県自然環境保全センターが昨年11月に県内のスギ林30カ所で花粉を飛散させる雄花の着花量を調べた結果、つぼみのつき具合を示す着花点数の平均値は20・7点だった。この数字は、過去最高の飛散量を計測した昨年の75・3点と比べ約3分の1。平成9年から続く14年間の調査平均値(44・6点)と比較しても約半分で、過去5番目に少ない数字だった。地域的には差は小さいものの、特に県北部(相模原市緑区)では低い着花量だったという。
この理由について同センターでは、「昨夏は平均気温が高く、着花が多くなる気象条件だった」としながら、「一昨年の春に着花が多かった影響で昨年の種子の結実量が多くなり、雄花への栄養分の供給が不足したことが考えられる」と話している。
スギは、2月から4月にかけて花粉を多く飛散させるが、花粉を飛ばす雄花は前年の7月から10月にかけて育つ。雄花は11月中旬には黄色味を帯びるといい、同センターでは毎年11月にこの調査を実施。ホームページでスギとヒノキの花粉飛散量を公開している。また、花粉の発生を抑えるために花粉の少ないスギ・ヒノキの品種を選抜。現在、県内で生産しているスギの苗木はすべて花粉の少ないもので、全く花粉を出さない「無花粉スギ」の開発も進められている。
全国的な花粉情報は、環境省が提供する情報サイト「花粉観測システム」(2月初旬スタート)でも確認できる。
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