神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
大和版 公開:2013年11月1日 エリアトップへ

中央林間古木昌子さん 歴史ひもとき30年 古文書目録、二編目が完成

文化

公開:2013年11月1日

  • LINE
  • hatena
文書蔵に残された古文書を30年にわたり解読してきた昌子さんくずし字を読み解き、原稿用紙に書き出す作業を毎日続けている
文書蔵に残された古文書を30年にわたり解読してきた昌子さんくずし字を読み解き、原稿用紙に書き出す作業を毎日続けている

 旧下鶴間村の江戸時代の名主・古木家に伝わる古文書約5千点を、30年間にわたり修復、釈文している古木昌子さん(93)=中央林間=がこのほど、『古木家文書目録二』を刊行した。

 1940(昭和15)年、当時二十歳だった昌子さんは、現在の大和市北部にある公所の古木家に嫁いだ。

 古木家は、徳川家の直轄地だった相州高座郡下鶴間村公所の旗本江原氏に仕えた名主だった。昌子さんの夫は初代・傳左衛門(1655年没)から数えて14代目の故・弘造さんで東大助教授を経て晩年は名古屋大学教授として活躍した。

 1957(昭和32)年に公所から中央林間に引っ越す際、文書蔵にあった数千もの古文書を段ボールにまとめた。当時、市から資料の提供を頼まれた弘造さんは「村内のものは目を通してからでないと出せない」と固辞。定年後に文書を整理することにしていたが、76(昭和51)年に66歳の若さで急逝した。

夫の遺志継ぐ

 1980(昭和55)年、当時60歳だった昌子さんは夫が残した古文書の整理を開始。傷んだ文書は1枚ずつ修復しながらコピーをとり、古文書のくずし字を現代字に書きなおして読み解き、原稿用紙に書き写す作業を30年間、続けてきた。

 家に残る最古の文書は1503(文亀3)年、北条早雲の命による神社に関する記録。次いで1591(天正19)年、徳川家康が旗本に宛てた朱印状の写しで、幕府からの命令や地域の訴訟、年貢割付や商工業、寺社、火災見舞い、私信など、江戸時代から昭和までの文書は約5千点に及ぶ。

長州征伐、種痘

 古木さんは、2004(平成16)年に江戸時代の文書910点を一覧にした『古木家文書目録一』を発行。

長州征伐に徴兵された村人が死に、別の村人が埋葬して髪を持ち帰ったことや、その出た村人の畑を皆で耕した様子も書き記してある。

 10月21日に完成した『目録二』には江戸後期から幕末まで916点と明治期の文書1415点を収録した。天然痘の予防接種「種痘」の文書では、太政官から神奈川県、戸塚宿、下鶴間村、公所へと通達が順に届き、明治政府の天然痘対策が公所の村人まで行き届いていたことがわかる。

「大正・昭和も」

 昌子さんは「毎日作業には次々に新しい発見があって楽しい。主人が残してくれたおかげで長生きしています。大正、昭和の文書もできるだけ整理しておきたい」と話している。販売は一部2500円(税別)。  問い合わせは(株)永屋/【電話】046・293・5252。
 

30年間の作業が詰まった2冊
30年間の作業が詰まった2冊

綾瀬スマートIC近く家族葬式場

樹木葬と家族葬「ゆかりえ」 ~グリーフケア~感謝で送る家族葬

https://www.fujimishikiten.co.jp/

<PR>

大和版のトップニュース最新6

新規就農者を支援

大和市

新規就農者を支援

担い手不足・離農に対策

4月26日

5年ぶりパレード復活

大和市民まつり

5年ぶりパレード復活

総勢1700人が参加

4月26日

成年後見の窓口を新設

大和市社協

成年後見の窓口を新設

月2回、専門家も対応

4月19日

助成申請は226件

自転車用ヘルメット

助成申請は226件

努力義務化から1年

4月19日

全国俳句大会で最高位

下鶴間在住佐藤直哉さん

全国俳句大会で最高位

3万句超、2人の選者から

4月12日

部活動の地域移行を推進

大和市

部活動の地域移行を推進

日体大と連携協定

4月12日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

大和版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

綾瀬で初公演

ロジェ・ワーグナー合唱団 好評発売中

綾瀬で初公演 大和市文化

心に響くゴスペルなど

4月28日~4月28日

大和版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook