大和市はこのほど、結婚歴のないひとり親に対して寡婦(夫)控除のみなし適用を導入すると発表した。これまで制度の狭間になっていた未婚ひとり親の支援を強化し、少子化対策につなげていく。
寡婦(夫)控除は、婚姻した配偶者と死別や離別した人が受けることができる税制上の措置。扶養家族の有無などと同じように、所得税の課税額等を算出する際、所得から一定額が差し引かれる。
一方で、寡婦(夫)控除は婚姻歴があることが前提となっているため、結婚を経ずに出産したひとり親についてはこれまで、子どもの扶養控除は受けられているものの、寡婦(夫)控除は適用されていない。
保育所や幼稚園の保育料、放課後児童クラブの育成料、市営住宅の家賃などは、所得税の課税額を基準に決められることから、同じひとり親でも、婚姻歴の有無で行政サービスの利用者負担額などに差が生じていた。
県や他市も導入
このような状況のなか、2013年に最高裁で、非嫡出子と嫡出子の相続分に差があることが憲法違反との判決が出され、同年12月にはそれを踏まえて民法改正が行われた。
これらを契機に、全国の自治体で寡婦(夫)控除のみなし適用を実施する動きが出てきた。県内では相模原と藤沢両市が昨年4月、川崎市が8月、横浜、厚木、伊勢原の3市が今年4月からそれぞれ、みなし適用を開始。神奈川県も7月から適用実施を始める。
7月1日から申請受付
市が対象とするのは、20歳未満の子どもを扶養している婚姻歴のないひとり親で、生活保護受給者と非課税者は除かれる。
該当となるのは、幼稚園や保育所など教育・保育にかかる利用者負担金や、放課後児童クラブの育成料といった子育て関連のほか、福祉車両利用助成、女性の健康診査といった福祉・健康関連、市営住宅使用料など29事業。7月1日から申請受付を始め、12月28日までの申請分は、4月に遡って適用される。
担当課が昨年度の状況を基に行った試算では、対象となるのは50人程度。「保育料の支払いが年間で6万円ほど減る人もいる」としている。
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