東京都目黒区で5歳の女児が両親による虐待の末、死亡した事件は、児童相談所が事前に認知、対応していたにも関わらず、防ぐことができなかった。同様の事案が大和市で起きないような体制はできているのか。取材した。
ワンストップの相談窓口開設
鶴間の市保健福祉センター2階の子育て何でも相談・応援センター(【電話】046・260・5675/平日9時〜17時)は、昨年4月に開設したワンストップの相談窓口だ。
大和市ではこれまで、すくすく子育て課で、妊娠前から妊娠・出産、子育てに関する相談を受け付けていた。昨年4月から相談窓口を同課の中の「応援センター」に一本化。子どもを持つ保護者はもちろん、近隣や幼稚園・保育園からの相談も受け付けている。
昨年度、センターに寄せられた相談件数は1812件。電話での相談がほとんどだが、母子健康手帳の交付時には面接(535件)も行っている。望んでいなかった妊娠で悩む妊婦もおり、出産前からの悩みの把握も必要な情報だ。
市では生後4か月児健診までに1度、保健師や助産師、管理栄養士などが乳児を抱える全ての家庭を訪問。赤ちゃんの成長状態を確認しつつ、子育てに関する悩みなども聞き取っている。
母子健康手帳は市役所や同分室などでも交付していたが、今年の4月から同センターに一本化となり、妊婦は必ずここを訪れることになる。
相談内容は子どもの体調、育児・しつけ、食事や栄養などが多い。中には子育てによるノイローゼやパニック、「手が出てしまう」など育児不安に関する相談も20件あった。これらの場合「電話で終わらせずフォローしている」という。ただ「自ら相談してくれる場合は、サポートにつながりやすく却って安心」(同課職員)とも話す。
安否確認の訪問年間140件
地域や幼稚園・保育園、小・中学校など子どもの所属から、虐待等を不安視しての相談もある。相談を受け、同課が子どもの健康や安全確認のため、所属先や家庭を訪問することもあり、昨年度は約140件(世帯)あった。
訪問は、担当課の事務職員や保健師、社会福祉士等の資格を持つ相談員等が2人1組で行う。虐待の有無など心配な情報について事実確認し、必要に応じて保護者に対して注意喚起や適切なしつけの方法などを伝える。面会ができない場合は日時を変えて訪問したり、家庭でなく保育園での接触を試みたりする。時には1週間連続で夜遅くに訪れ、ようやく面会できたケースもあったという。
市では調査の結果、虐待の恐れなど、緊急性の高い案件は児童相談所に連絡(大和市の場合は神奈川県中央児童相談所=藤沢市亀井野3119/【電話】0466・84・1600)。実際に児相が保護に至った事案もあった。
乳幼児の定期健診の未受診、就学前の健診や学校説明会の未受診・不参加もサインの一つ。この場合、保健師や教育委員会の職員が家庭を訪問。子どもに会えない場合は、居所不明の疑いがあると判断、同課がより徹底した調査をする。
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