市内南林間の高座教会(松本雅弘牧師)に6月15日、広島の原爆に耐えた「被爆ハマユウ」の”子孫”が贈られた。松本牧師は「平和のシンボルとして大切に育てたい」と語った。
「被爆ハマユウ」を贈ったのは「被爆ハマユウ・クラブ」の西村一郎さん。西村さんと20年来の知り合いで、平和活動などに熱心に取り組む平原久子さん(林間在住)が「被爆ハマユウを植える適地はないか」と打診を受けたことなどから実現。「地域の教会で、平和の象徴でもあるから」と同教会への寄贈が決まり、礼拝堂前の花壇に植えられた。平原さんは「偶然のつながりで実現した。神のお導きとしか思えない」と喜んだ。西村さんは「戦争を二度と繰り返させないため、若い世代に歴史を伝えたい」とハマユウに込めた思いを語った。
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「被爆ハマユウ」は、終戦前、広島の兵舎で兵長をしていた鎌倉出身の尾島良平さんが、地元の農家から譲り受けて兵舎近くに植えたもの。兵舎は爆心地から2㌔の距離で、尾島さんも兵舎近くで被爆、負傷したが一命はとりとめた。終戦後、友を弔うために兵舎跡を訪れた尾島さんは、がれきの隙間から咲いているハマユウを見つけ、球根を掘り出し、実家の鎌倉で植え直した。すると初夏には白い花を咲かせ、数年経つと多くの花を咲かせるようになった。尾島さんはこのハマユウを反核・平和のシンボルとして世に広めようと、株分けし、戦友の墓前に植えたり、広島平和記念公園や第五福竜丸展示館(東京都)などに贈った。活動を手伝っていた西村さんは、尾島さんの没後、遺志をつなぐため、1995年に「被爆ハマユウ・クラブ」を設立。「世界中に被爆ハマユウの花を」と、これまでに国内外を含め30カ所以上に寄贈している。神奈川県内では大船観音寺(鎌倉市)、亀岡八幡宮(逗子市)に植えられており、高座教会が3カ所目となる。
ハマユウは、「浜木綿」とも書くヒガンバナ科の常緑多年草。被爆ハマユウは、花びらが細く裂けて咲く日本で自生するものとは違い、百合のように円錐形に咲くインドハマユウ。
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