市政を読む vol.1 見えない数字がある
大和市が2月24日に広報やまとの『号外やまとニュース』を発行した。90万円をかけて7万部発行した紙面には「文化芸術の拠点誕生へ」との見出しが躍り、大和駅東側第4地区再開発ビルへの複合施設整備についてPRしている。
この号外には「建設にかかる予算は約119億円です」との記載がある。
大和市が「建設予算」とする119億円について解説するが、一語一語ゆっくりと読んでいただきたい。 119億円は、同地で再開発事業を行う権利者組合が既存の建物を解体、整地して建設する7階建ての再開発ビルを市が購入する際の上限額として市議会が認めた費用。
ビル内に各施設が整備された後の施設ごとの床価格は芸術文化ホールが58・4億円、図書館29・3億円、生涯学習センター17・4億円、子育て支援施設4・2億円、その他駐車場などが16・3億円。これらを足すと125・6億円だが、同地には6・6億円分の市の資産があるため差し引き119億円が購入費となる。
市の資金計画は「億」を「万」、「ビル」を「車」に変えると分かりやすい。119万円の車(ビル)購入には親(国)が25・4万円支援する。それに普通預金(財政調整基金)から10万円と家族からの援助(基金)7・8万円を充てる。さらに生活財布(一般財源)から7・9万円、残る67・9万円は20年ローンを組む。金利1・4%で利子は11万3千円になる。こうなると堅実な買い物にも思えるが、ほかにも30万(億)円ほどの諸経費や維持費も必要…。その辺りの説明は今後の市広報に委ねるとしよう。
市広報広聴課は号外について「限られた紙面で分かりやすく情報を載せた。3月15日発行の『広報やまと』でも情報を掲載する予定です」としている。(つづく)
<PR>
|
<PR>