大和市教育委員会は2016年度から、市立小中学校の一部フロアにおいて男子トイレの完全個室化に着手する。「学校で大便をしにくい」という声を踏まえたもので、各校で行われる老朽化トイレの改修に合わせて順次実施される。今年度は小学校4校、中学校1校が対象となる。
市立小中学校の校舎を対象に、今年度から市教委が実施する男子トイレの一部完全個室化。男子トイレは立って使う小便器と、座って使用する個室型の大便器で構成されているが、完全個室化では小便器をなくし、個室型の大便器だけが設置される。
完全個室化の男子トイレは原則、各校舎の1階にあるトイレで導入される予定。1階は全生徒が必ず通るフロアであり、子どもたちにとっても入りやすいことが理由となっている。
いじめ防止の効果も
今回、この事業を行う理由には、児童生徒の保護者から「子どもが学校で大便をしづらく、下校途中で漏らしてしまった」などの声が出ていることがある。
その背景には、小便器と大便器に分かれている男子トイレでは個室に入って用を足すことで、いじめの対象になってしまうことがあげられる。トイレ用品を製造販売するTOTO(株)が小学男女に行った調査でも、「学校で大便をしない」と回答した男子は全体の41%で、女子の34%を上回った。
3月に行われた市議会定例会の一般質問でも、二見健介市議がこの問題を取り上げており、市側も「人が生きていくうえでトイレは欠かせないものであり、それが快適に使えることは非常に大切」と、トイレ改修と男子トイレの完全個室化に取り組む姿勢を示した。
今年度は5校で実施
市教委では14年前から、「臭い」「汚い」「暗い」という、いわゆる「3K」の解消をめざし、老朽化したトイレの改修を継続的に進めている。具体的には、壁を明るい色にし、照明も明るいものに変更。またコンクリートで湿気が多かった床を乾式タイルに変更することで、雑菌の繁殖とそれによる臭いの発生を防ぐ方法を取り入れている。
今年度は、福田、下福田、大和東、文ケ岡の4小学校と下福田中学校の計5校が改修予定となっており、一部フロアの男子トイレ完全個室化もこれに合わせて実施される。また、今後も年5校程度ずつ、改修が行われる予定。担当する教育総務課では「子どもたちが安心して学校のトイレで用を足せるよう、改修に取り組んでいく」と話している。
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