意見広告 「多選自粛」決議の意義 大和市議会議員 小田 博士
「立候補を決めていないときに仮定の話で『だめだ』と。それでいいのか」
大木哲市長は4選出馬を表明した3月18日の記者会見で、市長の在任期間を連続3期までに努めるとする多選自粛条例を守るよう決議した市議会を批判しました。私は新聞記事を読んで、あっけにとられました。
振り返りますと、大木市長は平成20年3月議会の施政方針演説で「人間は完全ではない。権力を時間で分断することが必要である」と表明。同9月議会では「市長も人間である以上、長期間その職にとどまることは弊害が考えられる」と多選自粛条例を制定しました。ご自身のポリシーを180度転換したことについて、納得のいく説明はありません。
市長が自ら定めた肝いりの条例を破れば、市民から「何故、私たちがルールを守らなければならないのか」と反発を招きかねません。モラルハザード(倫理の崩壊)が生じます。大変由々しき事態です。なので、私は昨年6月議会と12月議会で取り上げました。
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大木市長は昨年8月の記者会見で「私から見て独善的な組織運営、人事の偏向がなかった。成果があったのではないか」と条例を制定した成果に胸を張りました。多選の弊害は出ていないと言いたいようです。本当にそうでしょうか。私のもとに市職員から一通のメールが届きました。
「今の市長は超トップダウンで市役所に諫言(編注・いさめること)という概念は微塵もありません。現場からは市政の私物化の指摘があり、諦めムードや部課長のミニ市長化による忖度が日常化しています。議員は翼賛化の懸念も見えます」
市職員の悲痛な声を受け止めて改善を促していくことも議会の大切な役割の一つです。
巨大な権限を持つ市長に対し、ご自身が定めたルールを守るよう求めた議会の決議は、議会が意地と誇りをかけてチェック機能を発揮したものである。私はこう捉えています。
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