記者が見た、聞いた、感じた、を伝える あっとほーむデスク 4月16日0:00更新
私の懐かしい味-。子どもの頃、泊りに行くと祖母が作ってくれた朝食の味噌汁。鰹節のよい香りがして、しかも卵を落としてくれた。固まった白身とトロトロの黄身を最後に食べるのが私流。▼未年の年女で96歳になる予定だった祖母が先日、他界した。奇しくも、家族5人でお見舞いに行った約12時間後に息を引き取った。私が声をかけると、ベッドで目を閉じたまま右手だけを動かしていたばあちゃん。中学2年と小学5年になる息子たちも神妙な面持ちだった。▼通夜、告別式とたくさんの人が参列し、御焼香に来てくれた。私の知らない人も多く、祖母は大勢の人に愛されていたことを感じた。骨になったばあちゃんを家族で納めたよ。もう、卵入り味噌汁を食べることはできないが、目をつむると思い出す。その香り、味、ぬくもり。姿、形はないが、これからは思い出とともに私の心の中で生きていく。(厚)
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