緑公会堂で行われる演奏会「音楽の贈りもの」にバイオリン奏者として出演する 松尾 茉莉さん 港北区在住 32歳
音楽と歩み、生きる
○…「ソプラノとバイオリンの組み合わせは画期的なんですよ。普通ならソプラノはチェロなど低音と組み合わせる。そこを編曲で上手に魅せる、聴かせる。出演者と主催者の思いが詰まったコンサートなんです」と3月に控えた緑公会堂での演奏会を熱く語る。生後4カ月の乳呑児を育てながらの何百人という観客の前に立つ。「忙しいし大変。でも今、一番音楽が楽しい」と笑ってのける。
○…音楽関係の仕事に携わる両親のもと4歳からバイオリンを始めた。初めての出会いは童謡「山の音楽家」の歌詞の冒頭。「わたしゃ音楽家山の子リス」の子リスに思いを馳せたのがすべての始まりとなった。「私も子リスさんのようにバイオリンを弾きたい。本当にそれがきっかけ」と朗らかに笑う。そんな些細な動機ではあったが、すぐに先生を付けてもらい教室の門を叩くと、「やはり私にはこれしかない」と小学校入学を前にバイオリンと歩む人生を決めていたという。
○…桐朋学園大学卒業後、ヨーロッパなどで演奏経験を積み、神奈川フィルハーモニー管弦楽団へ。2004年には緑区民音楽祭新人演奏会オーデションで優秀賞を受賞。以来、緑区など近隣での演奏の機会が増えた。子育てと両立しながら演奏活動、バイオリン教室での指導など多忙な日々を過ごす。「元気は娘にもらっている。健気に成長する姿を見ると、私も頑張らなきゃと思う」と充実した表情を浮かべる。
○…幾つになっても、どんな環境でも、音楽のある人生の素晴らしさを伝えたいという。自身の教室には働きながら、子育てしながら音楽を楽しむ生徒の存在がある。「皆すごく元気で充実しているのを見ると、これをもっと知らせたい、広めたいと思う」。4月には同じく子育て中の友人と組み「0歳から」コンサートを企画している。「親子で音楽に出会う機会をお届けできたら」。精力的に音楽と向き合う。
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