(公社)認知症の人と家族の会 神奈川県支部の世話人として支援を続ける 小宮 勇(いさみ)さん 上和田在住 77歳
この目で見る 地域のいま
○…「周りに認知症の方がいることは、もう特別ではない。多くの人に関心をもってもらいたい」。穏やかな話し方だが、言葉には力強さがある。認知症患者支援のための家族懇談会や電話相談などを行う団体の世話人として企画・実行の中心を担う。会を代表し県の認知症対策推進協議会の委員も務め、先月開催の「地域福祉セミナーやまと」では基調講演をした。
○…大和市は昨年9月、「認知症1万人時代に備えるまち やまと」を宣言。結婚し3人の子に恵まれたことを契機に大和に来て42年になるが、最近の市の認知症対策への積極的な姿勢を喜ぶ。「他市の人と話すと羨ましがられます。職員さんもとても熱心です」。自分の住む場所が暮らしやすい環境であってほしいという思いで、昨年まで市の介護サービス相談員を8年勤めるなど地域への関心も高い。
○…山梨県の養蚕農家の三女。「勇(いさみ)」の名は、長女次女と続き、「男の子が欲しい」という出生前の祖父の願いで付けられたそうだ。横浜の看護学校に進学し実習を重ねる中で、日常生活から関わって健康を支えたいと思い、横浜市の保健師に。家庭訪問をして老若男女の声に耳を傾け続け、37年間勤め上げた。生活の中で症状が進む認知症は保健師として無視できないテーマとなり、1981年の同会の発足から携わった。
○…文字や数字のデータだけではなく、実際に出向いて、話を聞いて考えることを保健師時代から徹底。「認知症についてまだ理解ができていない部分も多く、興味は尽きない」と現在も多くの研修会や講演会に足を運ぶ。仲間との行動が好きで、趣味の絵画仲間とスケッチ旅行に行くことも。「家族から『元気すぎる』と半ば呆れられることもあるが、毎日動き回れるのも、受け入れてくれる仲間がいるから。仲間は私の財産です」。今後も持ち前の行動力を生かして地域の現在(いま)を自分の目で見つめ、よりよい社会づくりに取り組む。
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