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足柄 文化

公開日:2012.06.16

藩主ゆかりの甲冑
400年経て鶴ヶ城へ帰る
中村健作さんから会津若松市へ寄贈

  • 甲冑を確認する中村さん(右)と学芸員の中岡進さん

  •  添え書きには「大坂の陣」の文字

 会津藩の2代藩主・加藤明成(1592―1661)が着用した甲冑が5月31日、中村健作さん(大井町在住、パナック工業(株)会長)から福島県会津若松市へ寄贈された。



 この甲冑は400年以上前の安土桃山(戦国)時代に造られたもの。この時代の甲冑に相応しく実戦を想定した実用重視の造りをしているが、金箔の上に透漆をかけた「白檀塗」や、革の小片を並べ重ねて紐で綴じた「本小札(ほんこざね)」等の細工の見事さ、背中に「旗差し」が無いこと等から大名が着用した鎧と分かる。また添え書きに「円通院(明成の戒名)様 御具足」「大坂の陣」の文字も見える。



 甲冑愛好家の中村さんは、20年ほど前に知人を通じてこの甲冑を手に入れた。「その時は”由来があるもの”とだけ聞いていた。10年程前に専門家から指摘されて明成公のものと知り、自分が持っているよりも会津若松市にある方が意味があると考えた」と経緯を語る。同市から訪れた市観光課職員と(財)会津若松市観光公社の学芸員は「明成公は1611年の地震で倒壊した鶴ヶ城を再建した人物。地元に縁ある貴重な品で状態も良く、震災で観光が落ち込んだ当市にとって明るいニュースになり、本当にありがたい」と話している。また同市から感謝の品として、市長直筆の親書や鶴ヶ城の通行手形(年間パス)、書などが中村さんに手渡された。甲冑は鶴ヶ城内で8月末まで展示中。

 

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