大井町の旧金田村役場の職員、山口常吉が書き残した関東大震災の回顧録を大井町郷土史研究会(清水幸子会長)の元教師、菊地晃三さん(70・金子在住)が現代語に訳文した冊子を作成した。菊地さんは「いつか起きる災害に備えるために過去の出来事を知ることが大切。特に若い世代の方に読んで欲しい」と話す。
回顧録は、金田村で書記を務めていた山口常吉が1924(大正13)年2月にまとめた。前年の9月1日の震災当日から5日後までを中心に村の様子や被害状況、その後、続いた余震などを89頁にわたり記した。
回顧録には「此の書後代迠(まで)必ず保存すべし」と書かれ、山口家に受け継がれてきた。2010年に「回顧録を訳して多くの人に伝えて欲しい」と家人が大井町に持ち込み、元高校の国語教師で町の文化財保護委員を務める菊地さんが解読にあたった。
菊地さんは「倒壊家屋の件数や建物、鉄道の被害、流布された噂などが事細かに記されていた。靴脱ぎ庭が60cm以上陥没したなど具体的な内容もあり、村を守りたいという使命感から後世に残したのではないか」と話す。回顧録には昭和初めまで続いた余震の記録もある。今年7月に原文を生かしてまとめたが「子どもたちに読んで欲しい」と8月に現代語に直して再度編さんした。9月30日に研究会が行う歴史講座で無料配布する予定。希望があれば講演にも対応する。
問い合わせは事務局の菊地さん【電話】0465・83・0830へ。
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