「チッチのチ」でコマをぶつける真剣勝負
「チッチのチッ」の掛け声を合図に、子どもたちが床の上で独楽（こま）を激しくぶつけ合う―。田奈ベーゴマ倶楽部が先月開催した「ベーゴマで遊ぼう！の会」の一コマだ。遊ぶのは鉄製の独楽を紐で巻いて回す、”昔のベーゴマ”。昔遊びを普及させる田奈ベーゴマ倶楽部を取材した。
田奈ベーゴマ倶楽部は田奈で飲食店を経営する橋本昇さんが発起人となり、昨年立ち上げた。「地域の人ともっと交流していきたい」と考えていた橋本さんが思いついたのは、昔、自分が夢中になったベーゴマ。「テレビゲームが遊びの中心の今の子どもたちに、体を使い、みんなで集まって勝負する楽しさを知って欲しかった」と橋本さん。店の常連客である森章浩さんや商工会仲間の出川和平さん、神奈川県内でベーゴマの普及活動を行う堀井明さんなどの協力を経て、ベーゴマ大会を開催している。
これまでに地域の祭りや田奈小学校、地区センターなどで開催し、独楽の巻き方、ルール説明、実際の回し方などを教えている。森さんの提案で、シールやマニキュアでベーゴマを装飾できる”デコベ”作りを盛り込み、独楽回しが苦手でも楽しめるよう工夫を凝らす。勝負に負けて悔し泣きする子や、何度も訪れてくれる親子など魅力は確実に伝わっている様子だ。
先月、橋本さんの店の前で開催したベーゴマ会には小学生14人が集まった。参加した出川大和くん（田奈小５年）は「初めて挑戦した時、回せずに悔しくて、また参加した。手の感覚で強さを調節できるところが難しいけど面白い」と話す。
橋本さんは「”ここに来ればみんないる”そんな交流の場を田奈に作っていきたい」と話した。
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