決勝で完投した高橋投手＝４日、保土ケ谷球場
県高校野球春季大会（県高野連主催）の決勝が５月４日、保土ケ谷球場で行われ、横浜青葉ボーイズ出身の３年・高橋裕也投手（17）擁する向上高校＝伊勢原市＝が準優勝。向上を５―３で下した横浜が、５年ぶり11度目の頂点に立った。
決勝の両校と県ベスト４入りした慶應、東海大相模は、５月17日から横浜市と横須賀市で行われる春季関東地区高校野球大会に、神奈川代表として出場する。
向上は３月の地区予選を経て県大会へ。強豪・東海大相模との準決勝では、高橋投手は３番手で登板。３回を無失点に抑え、５―４の逆転勝ちに貢献した。
先発を任された翌日の決勝、高橋投手は制球が定まらず５回まで４失点。８回には１点差まで詰め寄るが、一歩及ばなかった。「決め球のストレートが課題。最後の夏につながるいい経験をした」と手応えを語る。
冬越え 副主将に
小１から野球を始めた高橋投手は、港北リトルを経て横浜青葉ボーイズに入団。中学時代から投手一筋で歩んできた。
向上では１年秋の地区予選から中継ぎで登板機会を与えられたが、「ストライクが入らず、精神的にも弱かった」と振り返る。背番号10で臨んだ昨夏の県大会では、初戦で公式戦初の先発マウンドに立った。主軸の一端を担ったが、「先輩に頼っていた」と甘さを痛感。自覚が芽生え始めた。
「チームを変える力になりたい」と今年１月、副主将に立候補で就任。団結力を高めようと、率先してチームメートの意見を聞き、人前での言動を意識するようになったという。平田隆康監督（39）は「任された練習でも手を抜かない。周りに声をかけ、自分の考えをきちんとチームに浸透させている」と信頼を寄せる。
夏の県大会は準優勝が過去ベスト。高橋投手は「（夏の）日本一に向けて、関東では他県の強豪と１試合でも多く戦いたい」と語った。向上は18日、山梨１位の甲府工業高と午前10時から保土ケ谷球場で対戦する。
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