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横浜総合病院 「送迎バス」で地域貢献へ 高齢者の移動に新たな一手
医療法人社団緑成会 横浜総合病院(平元周院長)=青葉区鉄町=は、高齢者の移動手段を確保する横浜市の新たな取り組み「地域貢献送迎バスモデル事業」への協力を決めた。同院の患者向けの送迎バスの空席を利用し、高齢者の日常の移動手段に活用するというもの。同院と市は昨年12月に協定を締結。1月29日から、運行ルートの一つであるすすき野エリアで、実証運行を開始する。
地域貢献送迎バスモデル事業始動
高齢化の進展に伴い、地域交通の重要性が増している近年。横浜市内は坂道が多いこともあり「バス停から自宅までが遠い」、「バス路線の空白地帯で外出が不便」という高齢者の声も多く聞かれるという。
こうした実態を受けて横浜市道路局では、よりきめ細かな移動手段の確保を検討。民間の主体が運行する送迎バスを、地域の移動手段に活用できないかと検討を続けてきた。「既存のバス路線の新設や増便には限界があり、公共交通事業者だけではまかないきれないのが現状。民間事業者にもご協力いただき、地域交通の担い手の幅を広げられたら」と同局の担当者は話す。
2015年度には公益社団法人横浜市病院協会を通じて、市内134の総合病院にアンケート調査を実施。送迎バスの運行状況や今後の運行可能性、送迎バスの地域交通への活用についての意見などを集計した。調査結果について調整を重ね、横浜総合病院の協力を得て実証運行を開始することになったという。
同院と市は、昨年12月に実証運行についての協定を締結。送迎バスの運行や車両の維持管理を同院が担当。利用希望者への案内や乗車証の交付などの事務手続きをはじめ、搭乗者の傷害保険加入、車両へのドライブレコーダーの取り付けなどを市が担うことを確認した。同局の担当者は「協力してもらえる事業者がいなければ成り立たない。地域貢献のために、初の試みに手を挙げてもらえたことが本当にありがたく、心意気を感じる」と話す。
すすき野で実証運行
実証運行は同院の運行ルートの一つであり、路線バスが比較的少ない「すすき野循環コース」で開始。横浜総合病院発着で、黒須田や大場町遊水池前、三規庭を経由し、平崎橋、元石川の交差点を抜けてすすき野エリアや虹ヶ丘までを循環する。バスの運行ルート上であれば、挙手により随時乗車が可能(路線バスの停留所、交差点付近は除く)。乗車時に運転手に目的地を伝え、ルート上の任意の場所で降車する仕組みだ。
運行期間は、1月29日から来年3月31日までを予定。対象となるのは青葉区在住で敬老パスが利用できる満70歳以上の人。ドア開閉を含めて1人で乗降できる人に限られる。料金は無料だが、乗車時に市が発行する乗車証の提示が必要。あくまで病院患者の送迎が優先となるため、基本的に利用できるのは平日のみ。空席を活用するため患者の混雑が予想される便は除外され、1日4便が利用可能。土日祝日と年末年始、病院の休診日は運休となる。運行を進める中で検証して課題を探り、ニーズのある他のエリアへの展開を視野に入れていく。「協力してくれる病院側に迷惑がかからないよう、できる限りのことを考えていく。地域交通の充実につなげられれば」と道路局担当者は話す。
利用希望の申し込みは1月中旬から受付開始予定。希望者は窓口で利用申請書兼同意書を含む「利用の手引き」を受け取り、必要事項を提出。市から乗車証が交付されたら、利用が可能となる。申請窓口、問い合わせは市道路局企画課交通計画担当(【電話】045・671・3800)と青葉区区政推進課企画調整係(【電話】045・978・2217)。
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