市立青葉台小学校(岡カズミ校長)で、6年生が卒業制作の鎌倉彫に取り組んでいる=写真。指導にあたるのは、若草台在住の斉藤秀樹さん(75)を中心とする、有志の地域住民。同校で鎌倉彫の指導を続け、今年10年目になった。
神奈川の伝統工芸に触れてもらおうと同校が始めた鎌倉彫の制作。10年前に住民に指導協力の声が掛けられたのがきっかけで、鎌倉彫を当時習っていた斉藤さんや、卒業生の保護者が集まった。作品完成後も教室を借りて斉藤さんが住民に鎌倉彫を教えるようになり、そのメンバーが学びながら、新6年生に教えるようになった。現在、メンバー7人で活動し、授業では保護者4人も手伝っている。
漆塗り、完成へ
鎌倉彫を習うため、5年間ほど、月2、3回鎌倉に通っていたこともある斉藤さん。「平面の中に立体感を出すのが鎌倉彫の特徴」と話す。卒業制作では図工の時間2時間分を10回かけて、小さなお盆をつくっていく。柄は鎌倉彫のデザイン3種類から、各自好きなデザインを選択。前半6回で彫りの作業を行い、漆を4度重ねて塗っていく。
彫りの完成を控えた2月12日、室彩奈さんは「柿の絵に丸みを付けるのが難しかったけど、分かりやすく教えてくれた」と話した。黒田心(しん)君は「ボランティアの人が優しく教えてくれる」と笑顔。完成した作品は卒業式で展示し、子どもたちが持って帰る予定。岡校長は「地元の人との触れ合いを通し、児童に地域のなかで育っていると実感してもらうことが、一番の目標」と語る。
斉藤さんは「毎年やっているので、児童から『兄姉もつくっていたので楽しみだった』という声も聞く。卒業後も道で会うと声を掛けてくれたりして嬉しい」と話す。今後も続けていけるよう、後任者も育てていきたいとしている。
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