神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
青葉区版 公開:2015年3月19日 エリアトップへ

連載「3・11」4年後の今 震災の爪痕 教訓に 【3】神奈川県警察 小川茂美さん

社会

公開:2015年3月19日

  • LINE
  • hatena
「防災用品は準備している」と話す小川さん(33)
「防災用品は準備している」と話す小川さん(33)

 故郷は、岩手県紫波(しわ)町。「岩手のために何かできないか、っていう思いがあった」。2010年に青葉警察署に配属されて1年。生活安全課少年係で、非行少年の取り調べや小学校での非行防止教室に奔走するさなかに起きた震災だった。「最初は機動隊が派遣されていたが、足りなくなってきたようで、各署に応援要請が来た」。迷わず志願し、震災から5カ月後の8月15日から2週間、被災地への出向が決まった。

 出向先は、大津波で甚大な被害を受けた岩手県大船渡市。沿岸部を走る三陸鉄道南リアス線は全線不通のまま。道路は先に復旧し、通過はできるものの凹凸が激しく、信号機は稼働していなかった。家は少なく、更地の多さが目に付いた。「人が少しいてお店もやっていたりして、少しずつ復興に向かっているような印象だった」と当時を振り返る。現地では、車両での市街地パトロールと、遺体安置所となった大船渡市体育館の夜間警備にあたった。

 小学生の頃、柔道の試合で訪れた体育館。津波で窓ガラスが流され、ベニヤ板が打ちつけられた姿にかつての面影はなく「まるで廃墟」。名前が残った看板を見るまで同じ場所と気づかないほどだった。身内なのか知り合いなのか、遺体を探しに来る人が訪れ、探す相手の特徴を現地の県警に説明するのを傍らで聞いていた。2週間の間にも2体、遺体が上がった。

「災害は目の前に」

 あれから4年。実家には年に1回帰るが、被災した地域にはなかなか足が向かない。「復興が進んでいるか、見るのが怖いような気がして」。避難誘導で亡くなった警官もいた、と聞いている。想像以上の事態が起きたとき、自分に何ができるか―。「何もできないかもしれない」と厳しい表情をみせる。「日本にいる限り災害は目の前にある。それを頭に置いておかなければ」。大災害の現場を目の当たりにしたその経験を糧に「何かあったら役に立ちたい」と力を込めた。

青葉区版のローカルニュース最新6

豪華な大輪が見頃

豪華な大輪が見頃

黒須田「志村芍薬園」

5月2日

廣川じゅん展

JIKE HAUS

廣川じゅん展

花や緑を描いた作品並ぶ

5月2日

コレクターによる美術展

横浜市民ギャラリーあざみ野

コレクターによる美術展

5月5日までの開催

5月2日

災害報道の舞台ウラ

災害報道の舞台ウラ

テレ朝 出前講座

5月2日

横浜・大佛次郎記念館で仏画家 ポール・ルヌアール没後100年企画展

リーフレット配布中

リーフレット配布中

県福祉子どもみらい局

5月2日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月25日0:00更新

  • 1月1日0:00更新

  • 10月19日0:00更新

青葉区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

  • 目のお悩みQ&A

    コラム㊻専門医が分かりやすく解説

    目のお悩みQ&A

    『白内障の手術は両眼を1日でできますか?』

    4月25日

  • 幸福と訳すな!ウェルビーイング

    コラム「学校と社会をつなぎ直す」㉜

    幸福と訳すな!ウェルビーイング

    桐蔭学園理事長 溝上慎一

    4月25日

  • 教えて!職人さん

    教えて!職人さん

    vol.10 専門店の「ニセモノ」にご注意を!

    4月25日

青葉区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月2日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook