神社に参拝に行くと、参道の両脇で見かける狛犬。
本紙では戌年にちなんで「獅子狛犬研究家」の臼井義幸氏(港北区在住)に、横浜北部地区の狛犬について話を聞いた。
――狛犬の言われや歴史を教えてください。
「一番強いと考えられていた動物の獅子を警護者として設えたのが始まりで、平安期になって、角の生えた狛犬と一対になり、獅子・狛犬という阿吽形式が確立したようです。仏師が彫っていたものが、江戸期になりその作り手や奉納者が石工や庶民になっていくと、伝統に縛られずに大らかな解釈から獅子同士の番いになったり、小獅子を連れたものや玉持ちのものが現れます」
――周辺地域の神社で見られる珍しい狛犬はありますか?
「”イヌ”という音から、番犬の役目を連想するとともに、奉納目的も安産、子孫繁栄、魔除け、家内安全といった内なる願いへと変貌していきました。獅子の顔というより犬の顔に近いものや、背中に子が乗っていたり、授乳しているものは犬そのものを意識して作られたと思われます。そんなスパニエル犬にも似たかわいい狛犬が3匹の子に囲まれ境内で遊んでいるように見えるのが大熊町(都筑区)の杉山神社にあるそれ。また新羽駅近くの杉山神社には「獅子・狛犬」の形式を残したものが見られます。角を生やした狛犬と頭に宝珠を付けた獅子で、台座には文化10年(1813)と刻まれています。また、千草台(青葉区)の杉山神社には皇紀2600年記念の狛犬が鎮座。鴨居(緑区)の杉山神社では右側の子連れ、左側の玉取りの狛犬が参拝者を見守っています。初詣の際には、狛犬がどんな姿で迎えているのか見てみるのもよいかもしれません」
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